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「パク・ワンジャさん殺害」から12年、またも衝撃的な蛮行を犯した北朝鮮

「パク・ワンジャさん殺害」から12年、またも衝撃的な蛮行を犯した北朝鮮

Posted September. 25, 2020 08:35,   

Updated September. 25, 2020 08:35

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国防部は、西海(ソヘ・黄海)上の北方限界線(NLL)付近の小延坪島(ソヨンピョンド)の海上で漁業指導をして21日に北朝鮮側海域で行方不明になった海洋水産部所属の公務員を北朝鮮側が射殺し、遺体を焼却したことが24日、分かった。韓国民間人殺害事件は、12年前の金剛山(クムガンサン)でのパク・ワンジャさん事件以来だが、西海NLLで発生した事件の内容は衝撃的だ。大統領府は、国家安全保障会議(NSC)常任委員会会議を開き、「北朝鮮は今回の事件に対するすべての責任を負い、真相を明らかにする一方、責任者を厳重処罰しなければならない」と強調した。

軍当局によると、行方不明翌日の午後、北朝鮮側が遭難した行方不明者を最初に発見し、漂流の経緯などを尋問したという。その後、軍当局は延坪島の装備で、北朝鮮側が行方不明者の遺体を焼却するのを観測したと明らかにした。北朝鮮側は事実関係の確認を拒否しているが、政府当局は一点の疑いも残さず北朝鮮側に対して徹底した真相究明を強く求めなければならない。

北朝鮮は、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するために、国境に接近すれば誰であれ射殺する方針を立てたというが、彼らの内部方針にすぎない。厳然たる外国人、それも非武装の民間人を射殺して遺体を燃やす蛮行は、戦時に捕虜や民間人を保護するジュネーブ条約違反だ。北朝鮮側の非人道的行為を看過できない理由だ。

 

しかし、軍当局が事件当日の22日、事件の全貌を大統領府に報告したにもかかわらず、内容の公開に2日もかかった経緯は疑問だ。政界では、23日に国際社会に終戦宣言を呼びかけた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の国連演説を意識して、公開のタイミングを遅らせたのではないかという批判が出ている。万一、大統領府と軍当局が北朝鮮の蛮行を分かっていながら、政治的波紋を意識して隠したとすれば、責任を負わなければならない。

政府与党はこれまで、度を越えた北朝鮮の顔色をうかがうことが北朝鮮のこのような蛮行に口実を与えたのではないか反省しなければならない。北朝鮮が6月に南北共同連絡事務所を爆破したにもかかわらず、むしろ北朝鮮をなだめ、金剛山(クムガンサン)観光と開城(ケソン)工業団地の再開に焦っている。これだから北朝鮮に軽く見られ、ためらうことなくこのような蛮行が犯されるのではないのか。