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秋夕の満月の下でベートーベンの「月光ソナタ」を聞いてみよう!

秋夕の満月の下でベートーベンの「月光ソナタ」を聞いてみよう!

Posted September. 22, 2020 08:32,   

Updated September. 22, 2020 08:32

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秋夕(チュソク=陰暦8月15日の節句)連休が来週に迫りましたね。いろいろと不安な秋ですが、気持ちだけは心暖まる秋夕を迎えることを願い、月を表した音楽作品を見てみましょう。

ベートーべンのピアノソナタ第14番「月光」、月の光というタイトルで知られていますね。ベートーベンがつけたタイトルではありません。ドイツの詩人であり音楽評論家だったフリードリヒ・レルシュタープがこの曲を聴いて、「月光が映るスイスのルツェルン湖で波に揺れる小さな船のようだ」と言ったのが、タイトルのように呼ばれています。ルツェルンは今日、全世界の音楽ファンにことさら親しまれています。毎年夏にここでルツェルン音楽祭が開かれます。世界トップクラスのオーケストラ団員を呼び集めた「オーケストラのオールスター」ルツェルン・フェスティバル・オーケストラが特に有名です。

似たような名前で呼ばれるピアノ曲には、ドビュッシーのピアノ曲「月の光」もあります。ドビュッシーがわずか23歳の時に書いたピアノ作品集「ベルガモマスク(ベルガモの)組曲」の第三曲です。ベルガモは、イタリア北部の都市です。19世紀半ばのオペラ作曲家・ドニゼッティが生まれたところでもあります。今年2月末に、ここで新型コロナ感染者が急増してニュースになりましたが、丘の上から見下ろす景色があまりにも美しいところです。

この都市で生まれたドニゼッティには、生涯のライバルがいました。4歳年下の作曲家・ベッリーニでした。二人の競争は、ベッリーニがわずか三十四歳のときに早くもこの世を去って幕を閉じました。あのベッリーニも、月を歌った美しい歌曲「優雅な月よ」を残しました。

月を歌った曲として愛されている歌の中には、ドヴォルザークのオペラ「ルサルカ」に出てくるアリア「月に寄せる歌」も欠かせません。ルサルカは、チェコの水の中に住んでいる伝説上の妖精です。そのあらすじは、アンデルセンの童話・人魚姫と似ています。水に住む妖精が人間を愛しているのに、人間になると話すことができなくなります。それでもルサルカは、人間になることを選びます。「月に寄せる歌」は、オペラの前半で妖精が月を見ながら、自分の愛を恋する人に伝えてほしいと歌うアリアです。素朴ですが、忘れられない美しいメロディを持っています。

歌曲の王・シューベルトは、月に関する歌を複数曲残しました。「月に」という歌だけでも5曲です。詩人・ホルティの詩に曲をつけたのが、最も愛されています。ピアノの伴奏が、ベートーベンの月光ソナタと微妙に似ています。

チャイコフスキーのバレエ「白鳥の湖」は、2幕の「情景」のシーンが有名です。ヒロインのオデット姫と侍女たちが呪われて白鳥に変わりますが、狩りに出たジークフリート王子が月光の下で、この白鳥の群れに会うシーンです。

月を直接描写してはいませんが、ショパンのピアノ協奏曲のアダージョも、月を思い出させます。映画「トゥルーマンショー」のためかもしれません。人工的に作られたセットの中の人生を生きてきた主人公が、恋に目覚めるビーチシーンに出てきた音楽が、ショパンのピアノ協奏曲第1番第2楽章です。

ショパンは、ピアノ協奏曲を二曲書きました。二曲ともショパンが二十歳だった1830年にこの世に出ました。この二曲は、ショパンがワルシャワ音楽院同期生・コンスタンツァへの片思いが込められていると言われています。私の考えでは、第2番協奏曲の第2楽章がもっと月光のように感じられます。月光を思わせる美しい曲は、ユーチュ―ブ・チャンネル「ユ・ユンジョンチューブ」で聞くことができます。


ユ・ユンジョン文化専門記者 gustav@donga.com