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検・警の独立を無視した権力機関の改革は「権力の機嫌伺い」に変質される

検・警の独立を無視した権力機関の改革は「権力の機嫌伺い」に変質される

Posted September. 22, 2020 08:34,   

Updated September. 22, 2020 08:34

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大統領府は昨日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領主宰で第2次国家情報院・検察・警察改革戦略会議を開き、これから1年7カ月残りの任期内に権力機関の改革を支障なく仕上げるという意志を改めて明らかにした。最も議論となってきた検察と警察間の捜査権調整問題は、警察が相当部分捜査終結権を引き渡されたことになり、これからは警察の捜査を誰が統制するかが緊急課題として浮上している。

政府は昨日の会議で、警察の捜査を取り仕切る国家捜査本部を新設して、これを解決していくという立場を重ねて明らかにした。国捜査本部の権力からの独立や政治的中立を確保するためには、警察庁長が、個々の事件の捜査に指揮権を行使できないようにするという案を出した。しかし、これは見当違いか、国民の目を欺くための方便に過ぎない。

最近の一連の検察人事からも見られるように、大統領府と法務部は、政権の口に合う(都合の良い)検察幹部を中核ポストに重用した。一方、政権を狙った捜査を手がけていた検察幹部や検事たちは全員閑職に追いやられて、権力の不正を暴く捜査力を失うことになった。警察に新設するという国家捜査本部の独立性の問題は、人事が重要である。権力の立場では、警察庁長が捜査指揮権を行使しても、しなくても国家捜査本部長に口に合う(都合の良い)人物を起用すればそれまでだ。

国家情報院の改革も、国内政治の介入を防ぐために、国内情報収集機能を大きく縮小したのは望ましい方向ではあるが、対共捜査権を警察に移管することは、国家安全保障上の空白が懸念される。情報と捜査は不可分の関係にもかかわらず、対北朝鮮情報収集機能と対共捜査権が切り離されることによって、スパイを逮捕する対共捜査は無力化されるしかない。また、対共捜査権が引き渡される警察は、権力機関の権限を分散させるという当初の権力機関の改革の趣旨と違って、肥大化されることは避けられないようだ。

昨日、大統領府の会議は、特に新しい内容がなかったにもかかわらず、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官などが出席した中で開かれたことを巡っても疑問が起きている。大統領府は予定された会議であったと発表したが、息子の兵役優遇疑惑で窮地に追い込まれた秋長官の肩を持とうとする狙いがあったのではないかという言葉が出ている。

今までの検察改革は、検察改革のコアである検察の独立と政治的中立は跡形もなく、「権力の機嫌伺い」に変質されている。警察は、検察より政治権力の統制力が及びやすい状況だ。現政府が掲げている権力機関の改革は、今のままであれば、権力機関の侍女化や犯罪・対共捜査の空白をもたらす恐れが大きい。