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長く続かなければならないと言った次官と政権後半の北朝鮮核の時刻表

長く続かなければならないと言った次官と政権後半の北朝鮮核の時刻表

Posted September. 21, 2020 08:35,   

Updated September. 21, 2020 08:35

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「私は長く続かなければならない」

 

「実力者次官」と呼ばれる崔鍾建(チェ・ジョンゴン)第1次官が先月の就任後、外交部幹部に会ってこう話したという。崔氏は、南北関係の独自路線を重視する「自主派」と呼ばれてきた。大統領府国家安保室平和企画秘書官だった崔氏が次官に任命された時、外交部は動揺した。大統領府が政権後半に崔氏を送って軍紀引き締めを図るのではないかということだ。崔氏は、記者団に会って、「政権後半には動力が弱まるので、その部分で一助になる」と述べた。

そのような崔氏が「長く続かなければならない」とはどういう意味なのか。文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期が1年半残った状況で、次官を最後まで務めるという意味ではなかった。若い年齢(46才)と次官任期を終えた後も時間が多いため、将来を考えても外交官らと友好な関係を築くという趣旨だったという。

今、崔氏は外交事案全般に対して前向きな立場を明らかにし、意欲を見せている。文政権の国政哲学を強調し、幹部と意見が食い違う時もあるという。米国と「同盟対話」という新たな協議体を作ろうとするのも、政府の任期内に成果を残すようスピードを出す考えが作用したのだろう。

北朝鮮核問題では、大統領府など現政権の外交・安保ラインは焦りを感じている。11月の米大統領選前に米朝非核化交渉を再開することは難しいという観測が支配的だ。北朝鮮は南北対話を拒否する考えを露骨に示している。人道支援をしようとしたが、北朝鮮事情に詳しい消息筋によると、北朝鮮は「韓国からは受け取らない」考えだという。

米大統領選の結果によって米朝対話の扉が再び開かれる可能性がある。北朝鮮が来年1月の第8回労働党大会までに内部を固めた後、どのような対外戦略基調に出るかも変数だ。問題は時間だ。来年には韓国は次期大統領選の局面に入る。「ケミストリー」に頼ってハノイで失敗した米朝首脳会談の再演は、誰が米国の大統領になっても現実的に難しい。それでも政権の人々は北朝鮮核問題、韓半島問題でどんな方法であれ文政権の成果を残さなければならないという焦りが出るほかない。

そのため、外交・統一・安保省庁では、「政権勢力が北朝鮮問題の解決の時刻表を1年半と見ているのではないか。実際にはそれよりもっと長くなるほかないが、認識の差がますます大きくなるようだ」という懸念の声も出ている。今や「対話は必要だが、巧みな対話が重要だ」、「北朝鮮に譲歩しても緻密に譲歩しなければならない」という声が上がっている。韓米合同軍事演習のように価値が高いバーゲニングチップ(交渉の取引材料)を安値で北朝鮮に与えたトランプ米大統領の即興的なやり方に再び頼ってはならないということだ。

文政権の国政哲学も重要だが、北朝鮮核問題の解決の契機を再び捉えるには、専門性のある官僚と共通分母を見出すほかない。政権後半になればなるほど、歩調を合わせることが重要だ。米大統領選、党大会の後に北朝鮮はどのような方法であれ動き出すだろう。その時に大統領府が長い目で見て、本当の解決に向けた対話の基盤を作ることが、崔氏のような個人が長く続くよりも大韓民国の未来のためにはるかに重要だろう。


尹完準 zeitung@donga.com