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韓国進出を控えたスポーティパイ、「音楽界のネットフリックス」になるか

韓国進出を控えたスポーティパイ、「音楽界のネットフリックス」になるか

Posted September. 17, 2020 08:15,   

Updated September. 17, 2020 08:15

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世界最大の音源サービスプラットフォーム「スポーティパイ」が韓国上陸を控えている。スポーティパイは最近、韓国内の役員を選任して、ソーシャルネットワークサービス(SNS)に韓国公式アカウントを作って、海外版に韓国語サービスを開始した。今年初めから、音楽業界ではスポーティパイの4月の韓国進出説が広まったが、現在もスポーティパイコリアのインスタグラムのアカウントには、プロフィール写真(ロゴ)のみがぽつんと上がっているだけだ。

音楽業界では、防弾少年団のビルボードシングルチャート順位より、スポーティパイの成績に神経を尖らせている雰囲気だ。一部の芸能事務所は、海外の人気の度合いを知らせるために、最近スポーティパイ・チャートの成績をPRしている。全世界で約3億人の利用者を確保したスポーティパイは、韓国に定着できるだろうか。

韓国内でも一部のユーザーは、米国や日本にアドレスを迂回するやり方でスポーティパイを使っている。ユーザーらがスポーティパイの利点として挙げるのは、個人に合わせた音楽の推薦、数々の良質なプレイリスト(推奨プレイリスト)だ。ジャンル別にスポーティパイが作るメインプレイリストから、ユーザーが直接作って共有するもの、ニューヨークタイムズやピッチフォークなどの他の媒体が作って掲載するものまで、さまざまなリストを購読して、良質の音質で楽しむことができる。

しかし、韓国上陸効果にはまだ懐疑的な見方が多い。韓国的サービスと音楽に慣れているユーザーの環境が最初の理由に挙げられる。とある音楽サービス会社の役員は、「最近、とある国内音源プラットフォームはアップルミュージックなどの海外サービススタイルを見直したが、静かに韓国的サービスにUターンした」とし、「メロン、ジニーなどが構築した環境に慣れた消費者には、スポーティパイが不慣れで、無料体験期間が終了すれば『湯呑茶碗の中の台風』に終わると思う」と語った。国内Aレコード・音源流通社の関係者は、「アイフォーンユーザーに特化したアップルミュージックよりは、スポーティパイの拡張性が大きく見えるが、アップルミュージックのように、一部の韓国音源確保に失敗すれば容易ではない戦いになるだろう」と語った。

意外な旋風を巻き起こすだろうという見方もある。韓国内外のミュージシャンと契約したとあるレコード会社の関係者は、「スポーティパイは数年内にメロンを破って、韓国でも1位の事業者になることが目標だという話を聞いた。モバイル通信会社などと提携して、大々的な無料体験イベントを繰り広げるなら、ネットフリックスのように短期間で大物になる可能性も十分ある」と予想した。

大きな変数は、ユーチューブの音楽市場の食い込みと言える。とあるグローバルレコード会社の関係者は、「一時は過半を占めていたメロンの市場支配力が、1年間で50%以上激減したことを感じる。『メロン離脱の収益』がすぐにユーチューブに移っていることをデータで見ている。スポーティパイはメロンではなく、ユーチューブと競争しなければならない」と話した。

スポーティパイコリアは現在、韓国内音楽権利団体と交渉していることが分かった。国内のとある著作権団体の関係者は、「スポーティパイとの交渉がうまく終わって、早ければ今月中にも国内サービスが可能な状況だ。ただ、スポーティパイコリアが本社と調整する過程で時間がかかると聞いている」と話した。

2006年にスウェーデンで設立されたスポーティパイは、現在、約100カ国で利用できる1位のプラットフォームだ。アジアでは日本、インド、香港などで正式にサービスされている。すでに世界で十分な収益を上げており、影響力も確保したスポーティパイが、あえて容易ではない韓国市場に進出するのには象徴性が働いているという意見が多い。とあるグローバルレコード会社の役員は、「国際市場でK-POPの存在感が高まるにつれ、本土(韓国)消費者の性向をビッグデータとして集めて分析し、歌謡芸能事務所との協力関係を固めようとする布石と聞いている」と耳打ちした。


イム・ヒユン記者 imi@donga.com