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米大統領選前に中国の外交指令塔が訪韓、THAADのわだかまりから取り除け

米大統領選前に中国の外交指令塔が訪韓、THAADのわだかまりから取り除け

Posted August. 14, 2020 08:59,   

Updated August. 14, 2020 08:59

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中国の外交担当トップの楊潔篪・共産党政治局員が早ければ来週にも韓国を訪れる。楊氏は韓国の国家安全保障会議(NSC)に当たる中央外事工作委員会の弁公室主任を務めている中国外交安保ラインのトップだ。楊氏は徐薫(ソ・フン)大統領府国家安保室長と会って、習近平主席の年内の訪韓をはじめ韓中協力案を本格的に議論する。膠着した南北、米朝対話の再開についても話し合われる見通しだ。

楊氏の訪韓は、11月3日の米大統領選を控え、激しさを増す米中対立の局面でなされるため、韓米関係にも敏感な影響を及ぼしかねない。今回議論される習氏の訪韓が実現すれば、韓中間の高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の対立を終える契機になるだろうが、トランプ政権の警戒心を発動させ、韓米関係には緊張要因になる可能性がある。

トランプ氏は、中国に対する全方向の攻勢をさらに強化し、友好国に対して中国牽制路線に参加するよう露骨に求めている。韓国には主要7ヵ国首脳会議(G7サミット)の参加や、固体燃料制限を解いたミサイル指針改正のような友好的措置を実施すると共に、インド太平洋戦略と経済繁栄ネットワーク(EPN)の参加、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品である5G通信網の排除などを迫っている。

中国も緊張する様子だ。習氏が5月、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に電話をかけたことも、今回外交指令塔を韓国に送ることも、何とかして韓国の反中戦線への合流は阻止しなければならないという切迫感が背景にある。中国は、習氏の年内訪韓の意向を繰り返し強調しながらも、中国内の韓流を制限する「限韓令」の解除はためらっている。韓国を縛っておくための管理外交だが、大国らしくない策略と言わざるを得ない。

米中対立は今後、米大統領選の過程で最高潮に達するだろう。その結果に関係なく持続する可能性も高い。争う強大国に挟まれた弱小国はつらい。しかし、中堅国の韓国は、同盟か近隣か選択を強要される前に明らかな原則とルールの下、機敏かつ賢明に対応する外交力を発揮しなければならない。限韓令の解除は習氏の訪韓まで待つことではない。楊氏が来れば、これらきれいに整理し、北朝鮮の態度変化も引き出す機会にしなければならない。