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フィンランドを魅了した絵

Posted August. 13, 2020 07:49,   

Updated August. 13, 2020 07:49

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国ごとに愛される「国民の絵」がある。世界幸福指数1位の国、フィンランドの人々はどのような絵が好むのだろうか。アルベルト・エーデルフェルトが描いた絵は、2013年「フィンランドで最も重要な絵」に選ばれた。歴史的なシーンを描いたのではなく、海岸で遊ぶ平凡な子どもたちを描いたこの絵がなぜ選ばれたのか。

肖像画と風景画が優れたエーデルフェルトは、フィンランドの芸術を世界に知らしめた初の画家だ。フィンランド南部のポルヴォー出身のエーデルフェルトは1889年、パリ万国博覧会で金メダルを授与され、国際的な名声を得た。この絵の背景は、彼の故郷の海岸だ。森と海に囲まれたポルヴォー群島は海水が澄んで浅く、水遊びの天国であるだけでなく、平和で美しく、多くのフィンランドの芸術家にインスピレーションを与えた。「ムーミン」のキャラクターで有名な童話作家、トーベ・ヤンソンもここで毎年夏を過ごして小説を書き、エーデルフェルトもポルヴォーで夏を過ごして自然の美しさと日常の風景を描いた。絵には、シャツだけを着ていたり、ズボンの裾を膝まで折り上げたりしている3人の少年たちがおもちゃの帆船の模型を海に浮かべて遊ぶ様子が描かれている。左の少年のズボンの状態から、子どもたちがすでに楽しく遊んでいたことは明らかだ。船を持って自分の順番を待つ少年の顔は喜びがみなぎっていた。沖合には小さな島々と森の一部が見え、左には帆船が通り過ぎている。

 

この絵が描かれた当時、フィンランドはロシアの公国だった。その前は数百年間スウェーデンの支配を受けた。2つの強大国の間に挟まって、言語も文化も主権も失った国だった。もしかしたら絵の中の子どもたちは、画家が夢見るフィンランドの希望に満ちた未来かも知れない。子どもたちが海に浮かべた船は、自由と祖国の独立に対する念願の象徴だろう。大自然の中の子どもたちの幸せな日常を描いたこの絵が、フィンランド民の心をとらえたことは当然だろう。ふと気になった。フィンランド同様、後れを取った韓国国民の絵は果たして何だろうか。