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能力検証が欠如した韓米演習、任期内の戦作権返還の執着を捨てよ

能力検証が欠如した韓米演習、任期内の戦作権返還の執着を捨てよ

Posted August. 12, 2020 08:33,   

Updated August. 12, 2020 08:33

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韓米軍当局が11日、後半期の合同軍事演習の事前演習格である危機管理参謀演習を開始した。本演習は16~28日に例年より規模を縮小して実施され、核心である韓国軍主導の連合司令部の完全運用能力(FOC)の検証は一部だけ実施し、本格的な検証は来年前半期に実施するという。FOCの検証が延期され、文在寅(ムン・ジェイン)政府任期内の戦時作戦統制権返還の計画も支障を来たすことになった。

今回の合同軍事演習の縮小は避けられなかった。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、米本土や日本駐留の米軍兵士の移動が難しくなったためだ。規模も内容も縮小されたが、予定通り実施されたことは幸いだ。これまで政府内外ですら南北関係を考慮して、合同軍事演習の縮小、さらには全面中止を求める声まで出ていた。ただでさえ北朝鮮が対米、対南対話を断絶させた状況で、合同軍事演習の中止は北朝鮮に誤った信号を与え、誤った判断を煽ることになるだろう。

演習の縮小で今年終える予定だったFOC検証は実現が難しくなった。「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)は10日、米当局者を引用して、「今回の演習でFOCは新型コロナウイルスによって除外され、不可能だろう」と伝えた。しかし、韓国軍は依然として「米国と協議している」とし、「予備検証」は実施するとした。昨年行われた基本運用能力(IOC)の検証に基づいて今年にFOC検証、来年に完全任務遂行能力(FMC)の検証を終え、何とか2022年には戦作権返還を終えるということだ。

しかし、任期内の戦作権返還はあくまで目標であるため、現実的条件によって調整しなければならない。韓国軍は2014年に韓米が合意した「条件に基づいた戦作権返還」の方針によって連合司令部を指揮する能力を備えたのか検証を受けなければならない。先月の韓米国防長官の電話会談でも、「条件が十分に満たされなければならない」ということを再確認した。目標時期に無理に合わせて、必須検証手続きを省略したり、形式的な検証になってはならない。

戦作権返還は自主国防に向けた大きな一歩であり、安全保障の枠組みを変える重大な転換点になるだろう。ただし、トランプ大統領はいつでも在韓米軍の縮小または撤収を断行する構えであり、今後、国連軍司令部の地位をめぐる論議も予想される。戦作権返還は、同盟の変質、安全保障の悪化につながる恐れもある。指揮官の肩章をつけたからと能力が自ずとついてくるわけではない。連合作戦指揮能力と軍事力の強化、安保状況の管理能力まで条件を整えなければならない。