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アフリカの緑の万里の長城

Posted August. 08, 2020 08:48,   

Updated August. 08, 2020 08:48

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「猛暑、砂漠化と大飢饉、海水温度の上昇、日常化してしまった山火事、ひどくなる大気汚染、多発するパンデミックの発生、崩壊する経済、今や災害は日常になる」。デイビッド・ウォレス・ウェルズの著書『地球に住めなくなる日:「気候崩壊」の避けられない真実』で出てくる内容は大きな衝撃として迫る。

世界で最も紛争が多い地域、日照りで最も多い難民が発生し、食糧不足で多くの住民が飢えに苦しむ地域、まさにアフリカのサハラ砂漠南縁部に広がるサヘル地域だ。サハラ砂漠が気候変動で毎年南に広がり、山林が消え、砂漠化が進行している。「サハラ砂漠に隣接したアルジェリアの場合、山林の面積が国土の1%も残っておらず、国土の50%が山林だったエチオピアはもはや2.5%しか山林が残っていない」。国連環境計画の発表のように砂漠化が深刻化すると、国連食糧農業機関はサヘル地域の住民2千万人が飢餓に直面していると見通した。

これを受けてアフリカ連合は2007年、奇抜な発想を提案した。アフリカ11ヵ国を横切る超大型の森を作り、気候変動と砂漠化で荒廃したサハラ砂漠南縁部を復元しようということだ。「サハラ&サヘル・イニシアチブ」と呼ばれるこのプロジェクトにエチオピアやマリなどアフリカ約20ヵ国が参加した。アフリカ西端のセネガルから東端のジブチまで幅15キロ、長さ7775キロの巨大な森の壁を作るということだ。中国の万里の長城より1300キロ長いことから「アフリカの万里の長城」とも呼ばれている。世界銀行など多くのパートナー機関が約4兆8千億ウォンにのぼる資金を支援し、プロジェクトが始まった。

この目標は、木の壁を作って土壌を安定させ、気候を回復させることだ。サハラ砂漠の南進を防げば、緑の壁の周辺で作物が育てることができる。プロジェクトに住民も参加させる。植樹だけでなく管理も重要なためだ。国連はプロジェクトを通じて2030年までに1億ヘクタールの荒廃地を復元し、大気中の2億5千万トンの炭素を除去する一方、少なくとも35万個の農村雇用を創出できると発表した。実際、多くの国で荒れ果てた土地が蘇っており、ニジェールの場合、穀物だけで年間50万トンが生産された。これは250万人分の食糧だと世界食糧機関が明らかにした。気候難民で避難するほかなかったサヘル地域に住民が定着すれば、経済的、政治的な安定にも貢献できる。

 

アフリカの万里の長城を見たインド政府が、インドにも緑の壁を設置すると乗り出した。首都ニューデリーの西に長さ1400キロの「緑の壁」を設置し、タール砂漠の南進を防ぐということだ。気候変動の一つである砂漠化は、すでに多くの国にとって生存問題だ。これを解決しようとする努力は、それだけ気候変動が深刻であることの証拠だ。ためらっている時間はない。気候変動の阻止に参加しなければならない。