Go to contents

「官制ニューディールファンド」、投資家の損失を国民に押し付けるつもりか

「官制ニューディールファンド」、投資家の損失を国民に押し付けるつもりか

Posted August. 07, 2020 08:22,   

Updated August. 07, 2020 08:22

한국어

政府与党は、韓国版ニューディールのために推進している「ニューディールファンド」に、元金はもとより、年3%以上の収益率を保障し、破格的な税制優遇を与えるという。ニューディールファンドは、デジタル、グリーンニューディールなどの事業財源のために、2025年までに必要な財源160兆ウォンのうち、10%である16兆ウォンを民間から調達しようというものである。10兆ウォンは公募の形で、残りは退職年金などの様々な年金基金を動員して造成する案が推進されている。

具体的には、年3%の収益率+αを保障し、これに一般ファンドの配当所得の15%に比べて3分の1水準である5%のみ適用しながら、分離課税を適用する案が検討されているが、市場の預金金利が事実上0%台である状況では破格的と言わざるを得ない。国債よりも高い収益率である上、損失リスクは実質ゼロであり、さらに税金優遇までくれるというなら、投資を断る理由などないだろう。

問題は、投資先の発掘と収益創出の如何だ。ニューディールファンドは、大きな投資方向が決まっており、ファンド運用会社を通じて第5世代(5G)モバイル通信、データセンターなどのデジタルニューディール関連事業や太陽光などの再生可能エネルギー関連企業の株式を購入する形態などで運用される。しかし、将来の成功が確実に保証される民間投資事業は、世界のどこにもない。もし予想ほど収益が出ないか、損失が生じた場合、その負担をだれかが負わなければならない。しかし、投資家には、元本+3%を保障したので、結局ファンド資金を投入して作った公共事業サービスの利用料を市場の適正水準より大幅に引き上げたり、税金で埋めるしかない。

ファンドの投資家は、比較的経済的に余裕がある層だ。彼らに確実な収入を保障し、投資リスクは一般納税者に負わせるなら、社会的にも公正と言えない。韓国版ニューディールを通じて経済を活性化させ、市場の流動資金を引き込むためには、関連産業を取り巻く規制を緩和するか、産業政策上のインセンティブとしてビジネスの展望を明るくさせて、官制ファンドではなく、民間資金を自然に流れ込ませるか、最初からニューディール国債を発行する正攻法を選ぶのが正しい。