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パレアスの政治

Posted August. 04, 2020 08:08,   

Updated August. 04, 2020 08:08

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ギリシャは土地が狭く、肥沃でもなかった。一方、エーゲ海を挟んだ向かい側の小アジアには良い島と肥沃な大地があった。ギリシャのポリスは、市民の中から開拓団を選び、積極的に植民都市を建設した。

 

ある開拓団が小アジアの海岸で、海が深く狭い海峡の入口を発見して都市をたてた。その都市が今のイスタンブールの郊外にあるカルケドンだ。ここは東西貿易の要衝だった。この時、彼らが海峡を渡ったなら、後年世界で最も立派な都市という名声を得たコンスタンチノープルを発見しただろう。

カルケドンは名声ある都市に成長した。ここにパレアスという政治家が登場する。パレアスについては正確に伝えられていることはないが、アリストテレスの著書『政治学』にパレアスが構想した政治に対する批判がある。

アリストテレスによると、パレアスはすべての市民の財産は均等でなければならないと主張した。それは明らかに興味のわく提案だ。アリストテレスもソロンのように無慈悲な貧富格差のリスク、裕福な者の贅沢と金権政治を警告する。しかし、画一的な平準化は意味がないと主張する。

このような論争は今でも続いており、人類の歴史が終るまで終わらないだろう。アリストテレスによると、パレアスは税金、司法、教育など内政については詳細に語ったが、外政と軍事力については一言も語らなかった。

 

強制的な平等を追求する権力は、福祉を平等実現のための重要な方法として使う。問題となるのは財源だ。この時、莫大な軍事費が障害になる。軍事費を福祉に回そうとすれば、平和を誇張したり、自身が平和主義者であるふりをしたりすることになる。それなら幸いだ。ある者は金持ちには悪魔に見えるのに対し、外部の敵には仏、イエスになる。私が先に打たなければ、相手も私を打たない。

 

筆者が推定するに、パレアスもそうであったようだ。アリストテレスは言う。立法者は隣国とすべての外国に対する関係も考慮しなければならない。ある国家の富は、国内の需要だけでなく外部のリスクにも対処できるほどにならなければならない。平和を装う者が本当の戦争を招く。