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「2040年は『コロナ感染者』を宇宙で隔離」

「2040年は『コロナ感染者』を宇宙で隔離」

Posted July. 10, 2020 09:54,   

Updated July. 10, 2020 09:54

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2040年のある日、米ニューヨークで新型コロナウイルス感染症の50回目の大流行を知らせる警報が鳴った。市内のあちこちで新型コロナウイルスが急速に広がって、一日に1万人を超える市民を感染させたのだ。米政府は、大流行が勃発した地域に大型宇宙船を派遣して、感染者1万人を載せて地球軌道に打ち上げた。この宇宙船は、新型コロナウイルス感染対応治療船である。科学者たちは、宇宙塵から来る放射線の一種であるガンマ線に適切に当てれば、ウイルスが肺組織にくっつくことを防ぐことができることを知った後、患者を迅速に隔離して治療するために開発された。

これは、米パデュー大学機械工学及びエネルギー工学部の博士課程に在籍しているカルティーク・ネマニさんが想像した20年後の姿だ。最初の新型コロナウイルスの流行を経験している今のニューヨークで、40万人以上が感染し、3万2000人以上が死亡する大惨事が起きたのと比較される。

国際学術誌・サイエンスは、若手の科学者16人から新型コロナウイルス以降に変化する2040年の姿について公募し、その結果を3日紹介した。

●職場のトイレが防疫先兵の役割

サイエンスは、若い科学者と科学徒たちの目を通して、今の社会が新型コロナウイルスによってどのように変わるかを予測して、これを克服するアイデアを得るために今回のプロジェクトを用意した。2040年の状況を前提としているが、全く根拠のない話ではない。宇宙船に新型コロナウイルス患者を乗せて隔離もし、治療もするという想像も同じだ。実際、米民間宇宙企業・スペースXは、2022年までに地球の低軌道に150トンを打ち上げる120メートルの長さの宇宙船「スターシップ」を開発している。ガンマ線を噴き出す放射線同位元素も、すでに実生活で肺がん治療に使われている。

新型コロナウイルスに「無防備状態」で襲われたために被害が大きかったと思ったのか、感染症を早期遮断する時代が来るだろうという予測も多かった。職場のトイレに設置されたスマートトイレが、24時間、尿中RNAを見つけてユーザーの感染をすぐに把握し、2040年に開かれるオリンピックでは、すべての選手がウイルスをブロックする機能服を着ることになるだろうという予測も出ている。コロラド大学遺伝子センターのマイケル・ストロング博士後研究員は、世界最大の音楽祭であるコーチェラで、数十台のドローンがウイルスを探知し、1時間以内に新型コロナウイルスの変種に感染した患者を見つけて検疫所に送る時代になると予想した。

若手の研究者たちは、自分たちの生涯の職場である研究室の風景も大きく変わると予想した。非対面時代を迎えて、研究方法と文化が変わるだろうという期待だ。

大規模な学術大会は消え、リモート学会に切り替えられるだろうという意見も出た。米カリフォルニア大学バークレー校のライパン・リー博士後研究員は、2040年に開かれる世界リモート統合科学学会には、世界160カ国から10万人の学者がオンラインで参加するだろうと予想した。バーチャルリアリティ(VR)の中のポスター論文を押すだけで、他の研究者との議論もできる。リー研究員は、「未来の研究者は、学会に出席するために数千ドルを払って飛行機に乗り、ホテル代として数百ドルを払わなければならない今の学会風景を信じないだろう」と話した。

●使い捨て用品、個人車の利用増加で気候変動はさらに悪化

現在、絶滅危機に置かれている野生動物1000種が、再び個体数を回復するだろうという予測も出ている。新型コロナウイルス事態が、コウモリやセンザンコウなどの野生動物の密売と自然破壊から始まったという反省により、各国が今後、自然破壊を防ぐための努力を継続するだろうという期待のおかげだ。

しかし、若手研究者たちは、明るい未来だけを想像するわけではない。2016年、世界の平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2度以下に抑えるべきだというパリ協定を結んだが、2040年は目標達成に失敗した元年に記録されるだろうという観測も出ている。新型コロナウイルスで使い捨ての使用量が増え、接触を避けるために個人の車を使う人が増えたことで、温室効果ガスの排出量がむしろ増える可能性が大きくなっているからだ。実際、フィンランド・エネルギーとクリーン大気研究センター(CREA)は、今年2月、新型コロナウイルス封鎖のおかげでちょっと減った中国の粒子状物質や二酸化炭素の濃度が、5月に再び元の状態に戻ったと明らかにした。


チョ・スンハン記者 shinjsh@donga.com