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韓米連携より南北関係を優先視する雰囲気、韓米作業部会を揺るがすことを憂慮する

韓米連携より南北関係を優先視する雰囲気、韓米作業部会を揺るがすことを憂慮する

Posted July. 08, 2020 08:26,   

Updated July. 08, 2020 08:26

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米国の北朝鮮担当特別代表を兼務するビーガン国務副長官が7日、ソウルに到着し、3日間の来韓日程に入った。ビーガン氏の来韓に合わせて、米国務省は北朝鮮に対する「最終的かつ完全に検証された非核化(FFVD)」に向けた同盟間調整を強調した。一方、統一部長官候補の李仁栄(イ・インヨン)氏は6日、「(韓米が北朝鮮政策を調整する)作業部会を通じてできることと私たち自ら判断してできることを分けなければならない」と述べた。

ビーガン氏の来韓は、韓国政府が外交安保ラインの改編を断行して南北対話の再開に総力を入れると誓った状況でなされた。李氏が、北朝鮮に対する制裁と関連して、「制裁そのものが目的ではない」として「創意的解決策」を強調したのも、北朝鮮を再び対話に引き出すという意思の表現だろう。しかし、「私たち自らできること」という発言は、米国との作業部会の協議を飛び越え、何とかして北朝鮮をなだめると言っているように聞こえる。

北朝鮮は先月、北朝鮮に向けた体制批判ビラを言い訳にして挑発し、作業部会の解体を要求した。作業部会は、韓米の実務者が北朝鮮の制裁や南北協力などを調整する機構だ。一昨年、タミフルの北朝鮮への支援を長く引っ張り、結果的に失敗に終わったこともあるが、約20回にわたる南北鉄道・道路連結の調査など、協力事業を一括許可する「ファストトラック」の役割を果たした。北朝鮮が真に狙うのは、韓米の協力体制の核心枠組みを揺さぶることだ。

ビーガン氏の来韓を控えて、第1外務次官に続き米国担当局長が前に出て、米国とは対座する必要がないと繰り返し対話の可能性を一蹴した。韓国政府の仲裁の意思については、「たわ言」とし、「本当に願うならやってみればいい」と述べた。米国の大幅な譲歩を勝ち取るために韓国が出て、お膳立てをしろと求めたのだ。

 

非核化と制裁問題をめぐって南北米のアプローチは「三者三様」に分かれる様相だ。特に、韓国政府では、非核化に対する言及をまるで北朝鮮との対決と同一視するようなムードが広がっている。米朝対話の再開も必要だが、作業部会の役割調整をめぐって韓米間の論議が大きくなれば、北朝鮮に対する協力の枠組みが揺らぎかねない。北朝鮮だけ見つめる政策では、米国にはその真正性が疑われ、北朝鮮には挑発すれば補償を受けられるという誤ったメッセージを与えるだけだ。