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貪欲より恐ろしいこと

Posted July. 07, 2020 08:27,   

Updated July. 07, 2020 08:27

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人間はフェンスをめぐらす習性がある。木製の柵ではなく、私たちの心に巡らす共同体というフェンスだ。このフェンスは、家族・血縁を基準にしたり、同じ故郷・言語・文化を基準に巡らしたりする。

共同体という言葉は、感性を刺激する魔力のある単語だ。しかし、世の中にどのような共同体も、名前のように美しくない。対立があり、対立が続けば、共同体の外にいる顔も知らない人々よりも徹底的な敵となってしまう。対立を誘発する要因は貪欲だ。しかし、貪欲よりもっと恐ろしいものがある。

ペロポネソス戦争が終盤へと疾走し、戦況はアテネにますます不利になっていた。優位を見せていた海戦でさえ、スパルタに押され始めていた。小アジアの都市とアテネに多くの怨恨を抱くペルシャが、積極的にスパルタを支援した。資金が豊富になったスパルタは、海戦で必須である優れた船員をアテネよりもはるかに簡単に採用することができた。

紀元前406年、アテネに急報が届いた。レスボス島で、アテネ軍がスパルタの大艦隊に包囲されて全滅寸前だった。死にかけていたアテネは、利用可能な力をすべて絞って、150隻の大艦隊を編成した。レスボス近海で行われた海戦で、アテネ軍は激しい戦闘を繰り広げて大勝を収めた。アテネ軍も、25隻が沈没する被害を受けた。この時、突然嵐が吹いて艦隊は遭難者を助けられなかった。

艦隊が帰還すると、何人かの扇動者が立ち上がって勝利した将軍たちを起訴した。将軍たちを処刑すれば、その財産を没収して分配するという餌を投げて、将軍8人の善し悪しも突き詰めずに、一括で有罪無罪を決定する投票を実施した。ソクラテスは違法を指摘したが、受け入れられなかった。結局、将軍たちは処刑された。

さらにおかしなことは、彼らを処刑後、再び民衆は憤り、扇動者たちを処刑したり、追放したのだ。貪欲より恐ろしいのは、法と制度が力を失い、社会の集団知性が最小限の合理と良心さえ喪失することだ。アテネはこうして崩壊し、今だに立ち直れていない。