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大家族文化のインド、「自宅隔離で家族が感染」

大家族文化のインド、「自宅隔離で家族が感染」

Posted July. 07, 2020 08:26,   

Updated July. 07, 2020 08:26

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「これは始まりにすぎない・・・」

家族の1人が新型コロナウイルスに感染したことを知り、ムクル・カルグさんは低いため息をついた。生後3ヵ月の甥から90歳の祖父まで同居する家族17人の顔が頭をかすめた。

 

インド・ニューデリーの4階建ての建物に暮らすカルグさんの家族は、新型コロナウイルス予防対策を徹底して守ってきた。交替で1人ずつ食糧など生活必需品を買いに外出し、家に帰れば全身を消毒した。外部の感染要素を遮断し、家の中では普段のように共に食事をして暮らした。

しかし、4月末にカルグさんの叔父が熱を出した。その後、叔母、両親、祖母が順に新型コロナウイルスの症状を見せ、11人が陽性判定を受けた。インド・デリーの家の門には、大きな隔離ステッカーが貼られ、感染した家族は各自の部屋で隔離生活に入った。

 

インドでこのような家族の集団感染が新型コロナウイルス感染拡大の主要原因に浮上したと、米紙ワシントン・ポストが6日付で伝えた。同紙は、「インドで家族の集団感染が徐々に増加している」とし、「病床が不足し、家で愛する家族を看取ることが少なくない」と伝えた。

人口13億人を超えるインドで、新型コロナウイルス感染の拡大傾向が続いている。国際統計サイト「ワールドメーター」によると、6日のインドの累計感染者数は69万8817人で、1ヵ月前(6月6日22万6622人)に比べて2.8倍増えた。死者数は1万9703人と集計された。感染者数は、米国(298万2928人)とブラジル(160万4585人)に続き世界で3番目に多い。

 

インドがコロナの「ホットスポット」になった主要背景に大家族文化が挙げられる。インドで新型コロナウイルスによる死者の半数以上は60歳以上だ。専門家たちは同紙に、「大家族が一緒に暮らせば、若者が親や祖父母にウイルスを移しやすい。外出禁止期間に家族内の集団感染が深刻化した」と指摘した。

劣悪な居住環境も感染を増やした。インド日刊紙「ザ・ヒンドゥー」によると、インド政府は6日現在、104日間にわたって移動制限など外出禁止措置を実施している。しかし汚く狭い貧民街では、予防対策が十分に守られていない。コロナの検査が十分に実施されていないことを考慮すると、実際の感染者数はさらに多いと推定される。

医療インフラは脆弱だ。ニューデリーの一般病床数は約1万床にすぎず、殺到する患者を受け入れることができなかった。これに対してインド政府は、ニューデリーのチャタルプル地域の宗教施設にサッカー場20個分の大きさの新型コロナウイルス医療センターを作ったと、BBCは伝えた。

 

米フォーリンポリシーは最近、「インドのニューデリーやムンバイなどが新型コロナウイルスの新たな拠点に浮上した。無症状者と高くない検査率を考えると、実際の状況はもっと深刻だろう」と指摘した。ザ・ヒンドゥーは、「封鎖措置で帰郷していた労働者が都市に戻ろうとしており、感染が広がる恐れがある」と警告した。


イ・ソル記者 イ・ユンテ記者 oldsport@donga.com