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エコ商用車の先頭に現代自、世界初の水素電気トラックを輸出

エコ商用車の先頭に現代自、世界初の水素電気トラックを輸出

Posted July. 07, 2020 08:26,   

Updated July. 07, 2020 08:26

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現代(ヒョンデ)自動車は、世界で初めて水素電気を動力とする大型トラックの量産を本格的に開始した。世界市場を先取りするために、スイスを皮切りに初の輸出に乗り出し、エコ商用車市場の主導権獲得に乗り出した。

現代自は6日、全羅南道光陽(チョンラナムド・クァンヤン)港で、「エクシエント水素電気トラック」10台を貨物船に船積してスイス向けに発送したと発表した。水素電気で動く大型トラックは、これまで世界の自動車業界が試作品や展示用として作ったことはあるが、商業販売のために大量生産システムを備えたのは、現代自動車が初めてだ。今回物量は、現代自とスイスの水素専門企業・H2エネルギーが昨年9月に合弁で設立した「現代ハイドロジェンモビリティ」に引き渡される。年末までに40台を追加輸出するなど、2025年までに計1600台を輸出する予定だ。エクシエント水素電気トラックは34トン級で、8~20分の1回充電で最大で400キロまで走ることができる。スイスで流通会社の食料品の輸送などに活用される。

現代自は、乗用車に続いて大型商用車まで量産体制を備えたことにより、名実共に世界的なエコカーメーカーとしての地位を確立したという評価が出ている。欧州では2025年、ノルウェーを皮切りに、ガソリンとディーゼルなどを使う内燃機関車の新規販売の制限を進めている。大型商用車は、乗用車より化石燃料の消費量と排出汚染物質も多いが、それに匹敵する力を出すエコ動力源を見つけられなかった。特に水素電気自動車は、円滑な充電基盤を構築するのが課題だった。2030年までに最大で400万台の需要が予想されるほど有望な市場にも拘わらず、早く開拓されなかった理由だ。

水素電気トラックの分野で、現代自の唯一のライバルとして浮上した「ニコラ」は先月4日(現地時間)、輸送及びエネルギー分野投資企業・ベクトIQとの逆合併により、ナスダックに上場してから4日後にフォードの時価総額を上回った。先月29日は、水素電気ピックアップトラック「バジャー」のコンピュータグラフィックス画像を出しながら、事前注文を受けた。同日のニコラの株価は、前日より6.33%上昇した。これに先立って、先月9日は79.73ドルまで高騰して、世界的な注目を一身に受けた。現代自とは異なり、生産設備をまだ備えず、「バブル」という一部の指摘もあるが、水素生態系を巡る青写真が投資家たちに魅力的にアピールしたという評価が出ている。

現代自は、今回の水素電気大型トラックを前面に出して、世界商用車市場を本格的に攻略するという構想だ。6日、スイス向けに送られた10台を皮切りに、西欧市場に本格進出するという計画だ。次の輸出国は、ドイツ、オランダ、ノルウェーなどの欧州と北米になるとみられる。

現代自はまだ市場規模が小さく、物流業者などの顧客が初期導入費用に負担を感じるかもしれないことを考慮して、車両を利用した分だけ料金を受け取るレンタル形態のプロモーションも出した。水素充電インフラは、スイスだけで今年末までに7個、2025年までに80個が構築される予定であり、世界各国にもインフラ網の構築に乗り出す予定だ。

現代自は今後、1回の充電で1000キロ以上を走れる水素電気大型トラックを準備するなど、走行距離能力の確保に注力する方針だ。国内でも公共部門を中心に、老朽化バスやトラックなどの商用車買い替え需要を水素自動車で吸収している。現代自商用事業の李仁哲(イ・インチョル)本部長(副社長)は、「今後、欧州だけでなく、北米、中国にまで進出して、世界のエコ商用車市場の生態系の大転換を主導したい」と語った。


徐亨錫 skytree08@donga.com · 南時旭 @donga.com