Go to contents

データが都市を息づかせる

Posted July. 04, 2020 08:42,   

Updated July. 04, 2020 08:42

한국어

新型コロナウイルス感染症の事態により、粒子状物質への関心はしばらく、私たちの脳裏から離れているが、空気質改善のための努力は着実に続いている。そんな中、私たちは引き続き関心を示して努力しなければならないことが、都市の森建設に関することだ。

全国的に都市の森づくりのニュースが発表されており、これを裏付ける法律も続々と立法を待っている。都市の森が増えることは、確かに歓迎すべきことだ。都市の森は、粒子状物質を低減するだけでなく、夏の日中の平均気温を3〜7度も下げて、都心のヒートアイランド現象を減らすことができるし、騒音低減や大気浄化にも効果がある。人口の90%が都市に住むが、肝心の都市には森が不足している国内事情も、都市の森建設の必要性を高める。世界保健機関(WHO)の1人当たりの都市の森の勧告基準は9.0平方メートルだが、韓国人口の半分が集中しているソウルは4.38平方メートル、京畿(キョンギ)は7.69平方メートル、仁川(インチョン)は8.23平方メートルなどで、首都圏は1人当たりの都市の森の勧告基準にはるかに及ばない。基礎自治体の中で最下位であるソウル西大門区(ソデムンG)は、なんと0.86平方メートルに過ぎない。ニューヨークは23平方メートル、ロンドンは27平方メートル、パリは13平方メートルなど、世界の主要都市に比べれば、都市の森の拡充の必要性はさらに目立っている。

しかし、私たちが注意すべき点がある。都市に森を増やすことは、都市の高価な地価と限られたスペースの壁にぶつかるということだ。したがって、長年積んできた気象データと空気データを活用した戦略的アプローチが必要だ。

ドイツの代表的工業都市・シュトゥットガルトの事例は、私たちがデータをもとに、都市の森の建設と管理にアプローチしなければならない理由を示している。シュトゥットガルトは、都市内に長さが8キロ、面積が100ヘクタールの都市の森を造成し、ここから発生した風の道の効果で都市全体の粒子状物質を30%以上削減した。専門家たちは、シュトゥットガルトのような効果を得るためには、都市別気候と地形、風の道、樹木の生態現状までを考慮した多次元的な計画が策定されるべきであり、さまざまなデータで裏付けられるべきだと言う。幸いなことに第4次産業革命の技術発展とともに、温度、湿度、空気など、植物の生長に必要なデータをほとんどリアルタイムで測定できるようになり、これに基づいて都市の森の建設はもとより、都市の森の管理にも最適の環境を提示できる。

データをもとに、植物生長の最適環境を作ることができれば、苦労して作った都市の森が、効果と効率の両方をつかむことができる宝石のような空間に様変わりすることになる。また、都市の森の建設と管理のために積んだデータは、都市の森だけでなく、スマートシティの基本データとしても活用できるし、これは都市全体に散在した大小の都市の森と産地、河川を網羅する都市の息の道、すなわち「グリーンネットワーク」に発展できる。

グリーンネットワークは、森林が大きくて豊かでなければならないという既存の常識を破り、都市そのものとして息づく空間を作ることができるというビジョンを示している。限られたスペースとコストの効率的管理が必要な未来都市には不可欠な道になるだろう。このように、データに基づいて作られるグリーンネットワークが、都市内でもう一つの生態系として定着し、人間と自然の新たな共存モデルになることを願う。