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フィリピン海に集結した米空母戦団、「挑発時は韓半島に」対北朝鮮警告

フィリピン海に集結した米空母戦団、「挑発時は韓半島に」対北朝鮮警告

Posted July. 01, 2020 10:08,   

Updated July. 01, 2020 10:08

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米国のインド太平洋司令部が30日、フィリピン海で2つの空母打撃群(CSG・Carrier Strike Group)の合同訓練を先月29日から開始したと明らかにした。フィリピン海から韓半島は1500キロほど離れている。

「浮かぶ軍事基地」と呼ばれる原子力空母の作戦半径(1千キロ以上)を考慮すると、事実上、韓半島の近距離に巨大な2つの軍事基地が集結したのだ。空母の運航速度(時速30ノット・約56キロ)を考えると、24時間ほどで済州島(チェジュド)近海に到着できる距離だ。

最近、「金与正(キム・ヨジョン)発の韓国への軍事行動」を突然保留した北朝鮮に、韓米を狙った挑発を再開する考えを起こすなという強力な警告になるとみられる。

今回の訓練には、日本の横須賀港が母港のロナルド・レーガン(CVN-76)と最近米第7艦隊作戦区域に前進配備されたニミッツ(CVN-68)が率いる2つの空母打撃群が参加する。米第7艦隊作戦区域には韓半島も含まれる。ニミッツは、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の実妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が主導した韓国への軍事行動の脅威が高まった先月21日、フィリピン海で作戦活動を行った。

1つの空母打撃群の威力は、中小国家の海・空軍力に匹敵する。空母だけでも約5千人の乗組員と約70機の最新鋭機が搭載されている。さらに弾道ミサイル迎撃能力を備えた3隻のイージス駆逐艦・巡洋艦が護衛し、海中では数十機のトマホークミサイルを装着した原子力潜水艦が空母打撃群の半径数百キロを巡回し、24時間援護する。

米海軍は、今回の訓練に約1万人の乗組員と約150機の艦載機、6隻のイージス艦が参加すると説明した。訓練は、昼夜にわたってF/A-18など戦闘機の離着艦の訓練をはじめ、仮想敵機や艦艇、弾道ミサイルなどの脅威に対抗して対空・対艦防衛の手順を訓練するという。軍関係者は、「1つの空母打撃群だけ布陣しても、その地域の『力の均衡』が大きく揺らぐ」とし、「2つの空母打撃群が24時間なら韓半島に到着できる海上に集結したことは、多分に北朝鮮と中国を意識したものとみるべきだ」と話した。韓米を狙った北朝鮮の核ミサイル挑発と域内の覇権掌握を狙った中国の南シナ海の軍事基地化を今後は見ぬふりをしないという強力な力のアピールであり意思表示ということだ。インド太平洋司令部も、「今回の訓練は、空母戦力の迅速な展開および集結態勢を点検し、域内の同盟国に対する防衛公約を再確認する一方、航行の自由と合法的な海の利用を保護するためのもの」と明らかにし、事実上、北朝鮮と中国を同時に狙ったものであることを強く示唆した。

特に、北朝鮮が受ける圧迫感が小さくないとみえる。米空母打撃群は、戦略爆撃機とともに北朝鮮が最も恐れる増援戦力だからだ。軍当局者は、「北朝鮮の全面的な挑発など韓半島の有事の際、米国は3つ以上の空母打撃群を韓半島周辺に投入する計画を持っている」と話した。

北朝鮮の核の脅威が最高潮に達した2017年11月、米は史上初めて空母3隻(ロナルド・レーガン、セオドア・ルーズベルト、ニミッツ)を東海(トンヘ、日本海)上の韓国作戦区域(KTO)に進入させ、韓国海軍と合同訓練を行い、北朝鮮を緊張させたことがある。

それから3年の歳月が流れた先月21日、北朝鮮が韓国に向けて拡声器を再設置し、軍事行動を計画すると、すぐにこの3隻の空母が韓半島に近いフィリピン海に前進配備され、注目を引いた。また別の軍関係者は、「米国が韓半島の有事に、3~6時間以内に核(B-52)・通常(B-1B)爆撃機の展開態勢を構築したのに続き、最も強力な中朝牽制手段である空母打撃群の増強計画を着々と実行に移しているだろう」と話した。


申圭鎭 newjin@donga.com