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日本企業資産売却の手続き開始、外交が動いてこそ韓日関係の破局を防ぐことができる

日本企業資産売却の手続き開始、外交が動いてこそ韓日関係の破局を防ぐことができる

Posted June. 05, 2020 09:44,   

Updated June. 05, 2020 09:44

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裁判所が1日、日本帝国強制徴用被害者に対する賠償に応じない日本の戦犯企業である新日鉄住金(現日本製鉄)株式会社に対して、資産差し押さえ決定文である「公示送達」の決定を下した。国内資産の強制売却手続が開始されたことになる。昨日、大統領府は「裁判所の決定にどのように関与することができるのか」と主張しながら距離をおき、日本政府の報道官は、「すべての選択肢を検討する」として報復措置を予告した。

2018年10月の最高裁の新日鉄住金被害者への賠償命令にも、日本の外務省は差し押さえの決定文を該当企業に伝えず、時間を引いた末、返送した。これに対して、大邱(テグ)地裁が書類を受け取っていくように伝えたのだが、送達期間である8月4日0時以降は、裁判所が後続措置をとることができる。日本企業資産の現金化は、韓日関係を最悪に追い詰めることのできる段階で、早くから懸念されてきた。強制徴用被害と関連した差し押さえの申請10件のうち、残りの9件の売却命令まで続けば、韓日間の対立もますます高まらざるを得ない。

日本政府は、強制徴用賠償問題が浮き彫りになった後、自国企業の財産権侵害の可能性に対応するという名目で、昨年7月1日、輸出規制強化措置を発表した。その後、ほぼ1年が経っているのに、韓日両国政府は、通常当局間会議のみに任せたまま解決策を見つけられずにいる。両国の政治的リーダーシップや外交的努力共に解決の意志がなかったというのが、より適切である。

韓国政府は、輸出規制解除についての立場の表明に日本が応じないと、世界貿易機関(WTO)への紛争解決手続きの再開を決定し、両国外相は残念の意だけを交わした。これでは、昨年の韓日軍事情報保護協定(GSOMIA)終了宣言以降の対立よりも大きい暗雲が立ち込めるだろうと懸念する声も高まっている。

強制徴用問題は、韓国司法部の判断と日本政府の自国企業保護が衝突したものであり、両国指導者の政治的決断による外交的解決が避けられない。しかし、三権分立を打ち出す大統領府や新型コロナウイルス対応の失敗で無気力な中、極右勢力に頼っている日本の首相官邸は、すぐに解決に乗り出す兆しがない。日本の対応はいつものように、いたずらに私たちの反感を刺激する方法になる可能性が高い。だからといって、韓国政府が条件付き延長状態にあるGSOMIA問題を再び持ち出して安保分野と連携する悪手を打つことは避けなければならない。まだ2ヶ月という妥協の時間が残っている。外交では一方的な勝利はない。両国政府が問題を拡大するよりは解決するという姿勢に変えなければ、韓日関係に未来はない。