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スポーツクライミングの新星ソ・チェヒョン「五輪延期で準備できる時間ができて嬉しい」

スポーツクライミングの新星ソ・チェヒョン「五輪延期で準備できる時間ができて嬉しい」

Posted May. 30, 2020 08:32,   

Updated May. 30, 2020 08:32

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「夢:クライミング、特技:クライミング、趣味:クライミング。そしてたまにカラーリングブックに色塗りをする」

スポーツクライミングの神童ソ・チェヒョン(17)の高校生活記録簿には、おそらくこう書かれていることだろう。新型コロナウィルスの影響で世界的にスポーツ活動が止まっている中でもソ・チェヒョンは父が運営するクライミング・ジムに通い続けた。ハードなクライミング練習が終わると、何度の低い岸壁を登りながら調整を行った。2日間練習して1日休むスケジュールだが、ジムには毎日通った。休養が必要とされ、岸壁を登れない日にもジムに出て同僚たちとおしゃべりをして過ごした。「赤毛のアン」のキャラクターが出てくるカラーリングブックに色塗りをするのが事実上唯一「静的な」趣味だ。このくらいなら、地面に立っているより岸壁にぶら下がっている方が楽なのかもしれない。

6歳の時から登ってきた岸壁は、今はソ・チェヒョンを世界につながる扉となっている。昨年国際スポーツクライミング連盟(IFSC)のリード・ワールドカップで4連続優勝を果たし、リード部門で世界ランキング1位になった。3月には東京五輪出場権も一応手に入れた。新型コロナが世界的に広がると、IFSCは4月に中国重慶で開催する予定だったアジア選手権を中止し、アジアで最も成績が優秀な男女選手であるチョン・ジョンウォンとソ・チェヒョンに出場権1枚ずつを割り振った。だが、東京五輪が来年に延期されたため、既存の出場権は消えた。IFSCはアジア選手権を12月に中国廈門で開催することにし、同大会に再び東京五輪切符をかけた。

一度手に入った切符を逃したのだから悔しいはずだが、ソ・チェヒョンは意外と動じる様子がない。むしろクライミングの憧れの先輩である「岸壁女帝」キム・ジャイン(32)ともう一度出場権を競うことができたことを喜んでいた。ソ・チェヒョンは、「今年3月に出場権を獲得した時は、なぜか腑に落ちないものがあった。実力で戦って勝ち取った切符ではないと思ったからだと思う」と話した。

1年の準備期間ができたことは吉報だ。初めて正式競技になった五輪のスポーツクライミングには男女コンバインに金メダル1つがかかっている。コンバインの細部3種目(リード、ボルダリング、スピード)のうちリードが主力のソ・チェヒョンは、スピードの記録短縮に注力している。現在10秒台の記録を短縮するのが目標だ。ソ・チェヒョンは、「スピードは反復練習でタイムを短縮しなければならないため、準備できる時間ができて嬉しい」と話した。


チョ・ウンヒョン記者 yesbro@donga.com