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西海岸の正体不明ボート、軍は今回も住民通報で気づいた

西海岸の正体不明ボート、軍は今回も住民通報で気づいた

Posted May. 26, 2020 08:35,   

Updated May. 26, 2020 08:35

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中国人が密かに乗って入国したと推定される小型ボートが23日、忠清南道泰安(チュンチョンナムド・テアン)の浜辺で住民によって発見された。住民の通報を受けて軍と警察が周囲の防犯カメラを調べ、2日前に未確認のボートから降りてくる人々を確認し、彼らの行方を追っている。合同参謀本部は25日、「北朝鮮との関係は可能性が低いとみえる。経緯を調査している」とだけ述べた。

今回の小型ボートの発見は、昨年6月の北朝鮮船舶の「待機亡命」事件を想起させる。当時、北朝鮮の木船が東海(トンヘ・日本海)の北方限界線(NLL)を越えて三陟(サムチョク)沖合で夜が明けるのを待って港に入って来るまで軍は把握できず、住民の通報を受けて出動した。この事件で国防部長官が謝罪し、合同参謀議長に厳重警告、軍団長に補職解任の措置が下された。

今回も、海岸を警戒する陸軍と海洋の警戒を担う海軍は、住民が通報するまでの2日間、警戒に穴が空いていたことを全く知らなかった。それでも軍は「調査を待とう」とだけ繰り返し、「セキュリティ事項」を掲げて具体的な発言を避けた。ひとまず時間を稼いで責任追及をかわそうという態度と言わざるを得ない。

軍の呆れた警戒の失敗は、海岸の警戒だけではなかった。今年に入って、鎮海(チンヘ)と済州(チェジュ)海軍基地、首都防衛司令部の防空陣地に民間人が無断侵入する事件が相次いで発生した。基本的な警戒任務すらこのようにお粗末では、浸透スパイや武力挑発はどう防ぐのか、自分の部隊すら守れない軍が領土と領海をどのように守るのかと皮肉る声まで出ている。

警戒の失敗は絶えない軍紀弛緩事件とも無関係ではない。事件や失敗が起こるたびに軍は軍紀を引き締める対策を約束したが、言葉だけで終わるのが常だった。今は責任回避に汲々とする姿まで見せている。軍がなぜ事故だらけの心配の種になる状態にまでなったのか、抜本的な自己点検が必要だ。