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韓国の協力の手を「核兵器装填稼動」で振り払った金正恩氏

韓国の協力の手を「核兵器装填稼動」で振り払った金正恩氏

Posted May. 25, 2020 08:26,   

Updated May. 25, 2020 08:26

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北朝鮮が金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長を中心に労働党中央軍事委員会拡大会議を開き、「核戦争の抑止力を一層強化し、戦略武力を高度な激動状態で運用するための新たな方針が示された」と朝鮮中央通信が24日付で報じた。また、「人民軍砲兵の火力打撃能力を決定的に高める重大な措置も取られた」と付け加えた。

北朝鮮が明らかにした「新たな方針」の具体的な内容はわかっていないが、北朝鮮はこれを通じて対外的脅威を一層強めた。これまで北朝鮮が「高度な激動状態」に言及した対象は「人民軍」や「革命武力」だった。しかし今回は「戦略武力」、すなわち核・ミサイルのような戦略兵器だと指摘した。昨年末の労働党全員会議で警告した「核抑止力の動員体制は恒常的に維持する」から一歩踏み出し、核ミサイルをいつでも直ちに撃てるよう照準・装填状態で稼動するよう新たな指針を設けたという話のようだ。

北朝鮮は、核ミサイルで米国を狙う一方、「砲兵の打撃能力を高める重大措置」を通じて韓国にも照準を当てた。対外脅迫の意図は、核・ミサイル開発の核心要人である李炳哲(リ・ビョンチョル)氏と砲兵司令官出身の朴正天(パク・ジョンチョン)氏を昇格させた軍人事からも明確だ。核弾頭を装着した中・長距離ミサイルと共に超大型放射砲のような短距離戦術兵器までアピールし、全方向の対米、対韓国挑発プログラムを再稼働する考えを表わしたのだ。

さらに、最近の米中対立は、前例のないほど深まっている。11月の米大統領選が近づくほどトランプ氏の「米国第一主義」の対外政策は中国に対して厳しくなり、軍事的衝突の危機にまで至る恐れがある。このような対決と分裂の時を北朝鮮は常に存在感を誇示する機会としてきた。対外脅迫と挑発で緊張を最大限引き上げ、破局の直前に劇的な交渉に入るといった、古いレコードを再びかける可能性が高い。

24日は北朝鮮による哨戒艦「天安(チョンアン)」沈没に対応した北朝鮮に対する制裁「5・24措置」施行から10年になる日だった。政府は5・24措置がすでに実効性を喪失しているとし、積極的な南北交流・協力推進の意向を明らかにしたが、北朝鮮は呼応するどころかより大きな対外脅迫で応えた。今、正恩氏の考えは、なんとしても挑発の機会を狙うということだけだ。そのような北朝鮮に政府は一言の警告もなく融和メッセージだけを送っている。このような態度が正恩氏の誤算と錯覚を招いたのではないか疑問だ。