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「離散家族、南北いずれも誤り」と言う文大統領、韓国が何を誤ったというのか

「離散家族、南北いずれも誤り」と言う文大統領、韓国が何を誤ったというのか

Posted September. 16, 2019 08:40,   

Updated September. 16, 2019 08:40

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、秋夕(チュソク、陰暦8月15日)の13日、ある番組に出演し、「(離散家族が)会う機会すら与えないことは、南側の政府も北側の政府もいずれも誤っている」と述べた。秋夕を迎え、離散家族の痛みに共感するという趣旨の発言だ。しかし、文大統領が、離散家族再会が実現できなかった責任を南北いずれにもあるとしたことは、事態の本質を正確につかんでいない。

3日後には、南北首脳が3回目の首脳会談を行い、離散家族問題の解決を含む9・19平壌(ピョンヤン)共同宣言を締結して1年になる。当時、南北が合意した金剛山(クムガンサン)離散家族常設面会所の復旧、離散家族の書信往来、画像再会などは、北朝鮮側が実務協議すら拒否しており、まったく進展がない。平壌共同宣言で合意した東・西海線鉄道連結事業も着工式だけ行われ、後続工事なく有名無実の状態だ。北朝鮮側は、2月28日のハノイ核会談決裂で国際的に恥をかいたと考え、南北対話を閉ざしている。離散家族再会まで政治問題の担保にし、対話を拒否する北朝鮮の態度は、約束違反であり、最低限の人道主義にまで背を向けた処置だ。

歴代の韓国政府は進歩保守の区分なく、離散家族再会を積極的に推進してきた。朴正熙(パク・チョンヒ)政権時代の1971年、大韓赤十字社の離散家族探し運動が始まり、85年9月にソウルと平壌で初めて離散家族故郷訪問団と芸術公演交換行事が実現した。金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府時代には離散家族再会が活性化した。しかし、北朝鮮側は、離散家族再会を通じて大韓民国体制の優越性が強調されることを懸念したのか、常に消極的な態度で一貫し、今度は実務協議まで拒否している。離散家族再会が進展しない責任は、全面的に北朝鮮政権にある。

現在、韓国側の離散家族生存者は約5万人で、毎年約3千人が亡くなると集計されている。政府は、離散家族再会が実現しないことを南北双方の誤りという不適切な政治レトリックで時間を浪費して顔色をうかがうことなく、直ちに協議に応じるよう北朝鮮に堂々と求めなければならない。