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「青酸マッコリ殺人」で無罪、「捏造捜査」の責任は最後まで問うべきだ

「青酸マッコリ殺人」で無罪、「捏造捜査」の責任は最後まで問うべきだ

Posted October. 30, 2025 08:35,   

Updated October. 30, 2025 08:35


「父と娘が共謀して母を毒殺した」と検察が結論付けた2009年の『青酸マッコリ殺人』事件に関する再審で、28日、無罪判決が言い渡された。父のペク氏と娘は殺人などの罪で無期懲役と懲役20年の刑を受け、昨年、再審開始の決定で釈放されるまでそれぞれ15年間収監されていた。理不尽な服役を強いられた娘は、無罪判決後に「検事や捜査官に、こんな捜査はしてはいけないと伝えたい」と語った。

ペク氏はほぼ文盲に近く、娘は独立した社会生活が難しい境界知能者で、社会的弱者にあたる。裁判所は、検察はこうした点を考慮せず、黙秘権すら知らせずに誘導尋問や強圧捜査で偽証を引き出したと厳しく批判した。ペク氏の弁護人は「犯行を否認したのに認めたことに(調書が)変えられ、否認すれば強圧的追及が続いた」と述べた。検察は実績作りに急ぐあまり、人権保護や適正手続きという基本義務を放棄したのである。

マッコリや青酸をペク氏が入手したという検察の主張にも、穴だらけの点があった。当初、ペク氏はある飲食店でマッコリを購入したとされたが、実際はペク氏がこの飲食店を訪れた痕跡がないことを立証できる防犯カメラの映像を入手していたにもかかわらず、裁判所に提出しなかった。ペク氏が青酸を渡したとされる知人も、法廷で「青酸を見たことがない」と証言した。これだけでも、強圧の域を超え事件を捏造したとみなしても過言ではない。

証拠を歪めて犯人をでっち上げることは、公権力に対する信頼を揺るがす重大な犯罪だ。しかし、職権濫用罪の公訴時効の7年が過ぎており、担当検事を刑事処罰することは困難である。この検事は、他事件の関係者から接待を受けたなどの理由で解雇され、検察を去った後であり、懲戒もできない。再審で真相が明らかになった『ナラスーパー三人組強盗致死事件』の担当者も、同様の理由で責任を免れた。こうした事態を再発させないためには、違法捜査に関しては公訴時効を撤廃し、最後まで責任を問える制度にする必要がある。