尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が21日、非公開の面会で、尹大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏の特検法を巡って衝突したという。韓氏は、「『金建希特検法』再採決の時、30人の議員を説得した。世論が悪化すれば、『金建希特検法』を阻止することが難しい状況になるかもしれない」と述べると、尹大統領は「与党議員が野党と同じ立場に立つなら、私もどうしようもないのではないか」と答えた。3回目の「金建希特検法」の再採決で与党内の8票以上の離反票で特検法が可決される可能性があるとの懸念が高まる中、「政権の命運」がかかった特検法をめぐって「尹-韓対立」が露呈したのだ。韓氏は面談後、仁川江華郡(インチョン・カンファグン)を訪れ、「ただ国民だけを見て民心に従って問題を解決する」との立場を明らかにした。
22日、大統領室と「国民の力」によると、韓氏は前日の面談で、「今、民意が良くない」とし、「金氏の再採決の時、反対票が104票だった。党内の状況も厳しい」と話したという。その上で韓氏は、「先制的に措置を取らなければならない」とし、金氏に関する大統領室内の人事刷新と金氏の対外活動の中止、金氏の疑惑究明手続きへの協力など、「金氏リスク」の解決に向けた3大要求事項の受け入れを求めた。状況が悪化する場合、尹大統領の再議要求権(拒否権)行使で予想される再採決の際、離反票の取り締まりが困難になる可能性があるということだ。
これに対して尹大統領は、「これまで与党の議員たちが違憲で憲法を侵害する法律にブレーキをかけてくれたことは幸いであり、感謝している」とし、「議員の考えが変われば、私としてもどうしようもないことだが、議員たちを信じる」と述べたという。大統領室関係者は、「違憲法案に賛成する与党議員が果たしているのかという趣旨だ」と説明した。
韓氏は、「金建希ライン」8人の名前を挙げ、「親交を誇示して威勢を振るう人物の整理が必要だ」と述べ、大統領室の人的刷新を求めた。しかし、尹大統領は「人的刷新は私がしなければならないこと」とし、「誰かが何らかの過ちをしたとすれば、具体的にどのような行動にどのような問題があるのか話してもらわないと措置を取ることができない」と答えたという。
韓氏は、「公共機関へのパラシュート人事はいけない」と述べた。韓氏は、韓国観光公社社長に検討されている姜訓(カン・フン)前大統領室政策広報秘書官と韓国空港公社社長に名前が挙がっている金午鎮(キム・オジン)前大統領室管理秘書官に触れたという。
イ・サンホン記者 シン・ナリ記者 dapaper@donga.com