Go to contents

常任理事国の拒否権を牽制、国連総会で決議案採択

常任理事国の拒否権を牽制、国連総会で決議案採択

Posted April. 28, 2022 09:11,   

Updated April. 28, 2022 09:11

한국어

国連安全保障理事会の常任理事国5ヵ国(米国、英国、フランス、中国、ロシア)の拒否権行使を牽制する装置が26日(現地時間)、初めて設けられた。

同日、米ニューヨークの国連本部で開かれた国連総会では、このような内容の決議案が採決ではなくコンセンサス(意見の一致)で採択された。欧州の小国リヒテンシュタインが主導し、米国、英国をはじめ83ヵ国が共同提案した決議案は、安保理で拒否権を使った場合、10日以内に総会が開かれ、拒否権を行使した常任理事国は理由を説明しなければならない。加盟国は、これを受けて討論することができる。

決議案は、常任理事国の拒否権を遮断することではないが、総会で議論することで、拒否権行使に外交的に圧力を加える効果がある。決議案の効力は直ちに発揮される。

 

決議案を主導したリヒテンシュタインのウェナウェザー国連大使は、「決議案は国際平和と安全保障問題で拒否権のない国家の声を反映することが目的だ」と明らかにした。米国のトーマスグリーンフィールド国連大使も同日、ツイッターで、決議案の通過について「良いニュース」と伝えた。

今回の決議は、ウクライナを侵攻したロシアを牽制する布石だ。戦争を起こしたロシアが自国に対する制裁や非難する決議案に「セルフ拒否権」を行使し、国連を無力な存在にしたという批判が起きていた。特に、ウクライナのゼレンスキー大統領は、国連に「行動しなければ解体を」と強く批判した。このため、最近国連では、安全保障理事会のシステムを全面的に改革しなければならないという声が大きくなっていた。ロシアのウクライナ侵攻後、国連総会でロシアを糾弾する決議案が2回通過したが、安全保障理事会の決議とは違って法的拘束力はない。AP通信は、「安全保障理事会の改革の試みは40年間続いたが、いつも失敗に終わった」とし、「今回国連総会が、常任理事国の拒否権行使に国際社会の注意を喚起する一歩を踏み出した」と評価した。

今回の決議は、今後、北朝鮮に対する安全保障理事会の議論にも影響を及ぼすものとみられる。中国やロシアが、北朝鮮の核実験やミサイル発射に対する安全保障理事会の制裁に拒否権を行使すれば、その度に総会が招集されることになる。北朝鮮問題が国連の舞台で議論されれば、中国とロシアは拒否権行使に負担を感じざるを得ない。


兪載東 jarrett@donga.com