Go to contents

アンドロイド型?それともアイフォーン型?  注目集まるアップルカーの未来車事業モデル

アンドロイド型?それともアイフォーン型?  注目集まるアップルカーの未来車事業モデル

Posted January. 11, 2021 08:12,   

Updated January. 11, 2021 08:12

한국어

アップルのジェスチャーの一つで、世界の自動車業界が揺れている。

近年、自動車業界は連結性・自動走行・共有・電動化を指すいわゆる「CASE=Connectivity, Autonomous, Sharing Service, Electrification」という新しい波で大きな変化を経験していた。このような状況の中、世界の時価総額トップの情報技術(IT)企業・アップルが、自動車業界と本格的な協力を試み、これまでとはレベルの違う変化を引き出すだろうという分析が出ている。

アップルが現代(ヒョンデ)自動車に「アップルカー」の開発協業案について議論することを提案したことが分かった9日、現代自動車の株価が19.4%高騰したのもこうした流れからだ。今後の電気自動車同盟の行方が、グローバル自動車業界の勢力図を揺さぶるだろうという見方が持ち上がっている。

●電気自動車同盟でも「アイフォーンモデル」が実現するか

自動車業界は、アップルと展開される電気車の生態系が「アンドロイドモデル」になるのか、「アイフォーンモデル」のようになるのか神経を尖らせている。アップルと協力する自動車メーカーが登場した時、アップルと自動車メーカーがどのような関係で結ばれるかという問題だ。

アンドロイドモデルは、グーグルが主導するアンドロイドを運営体制(OS)として活用しながら、三星(サムスン)電子やLG電子などのように、スマートフォンメーカーがそれぞれ自由に製品を作る生態系を指す。一方、アイフォンモデルは、台湾のフォックスコンのようにパートナー企業がアップルのブランドと設計をそのまま反映した製品を生産して納入する相手先ブランド製造(OEM)方式だ。

世界市場で年間数百万台の量産車を販売する自動車メーカーが、アップルカーにおいてフォックスコンのような役割を要求されれば、悩みは深まらざるを得ない。直ちに売上げは膨らむだろうが、長期的に収益性は高くない可能性もある。数十年間力を入れてきた自社ブランドに、否定的な影響を及ぼす可能性も排除できない。

韓国自動車研究院のイ・ハング研究委員は、「一定規模以上の生産能力を持つ自動車企業はもとより、最近電気車プラットフォームを開発したフォックスコンまでがアップルカーのパートナーになる可能性がある。アップルは、新しく作られる電気自動車のエコシステムで、より大きな付加価値を得ようとするはずであり、どのような協力が可能なのかがカギとなる」と語った。

●「自動車産業もプラットフォームビジネスに転換」

どのような生態系が実現されても、アップルの電気車進出の試みは自動車産業を大きく変化させるだろうということには異見が多くない。消費者の観点から見れば、アップルこそ内燃機関車の初登場(1886年)、フォードの自動車生産ベルトコンベアの導入(1913年)に次ぐ変革を導く力があるという。アップルがアイフォーンで人間のコミュニケーションの方式を変えたという評価を受けていることを考えれば、誇張された表現ではないという評価だ。

これは、「多くの人は製品を見せるまでは自分たちが何を望んでいるのか正確には分からない」と主張したアップル創業者スティーブ・ジョブズの発言と通じる。顧客自身も知らないニーズを見つけて、商品とサービスで見せるのがコア競争力であるだけに、内燃機関を進化させた水準の現在の電気車とはレベルの違う製品が登場するという期待感が早くも出ている。

専門家らは、アップルが自動車メーカーに差し出す本物のカードは、デザインの革新ではなく、ソフトウェアの革新になるだろうと見込んでいる。メリッツ証券のキム・ジュンソン研究員は、「アップルは車両ソフトウェアからクラウドサービス、無線ファームウェア・ソフトウェアアップデート、運営体制などの技術を発展させた。結局は車を活用したデータビジネスへの拡張を追求するだろう」と語った。

スマートフォンのように自動車もプラットフォーム産業に変われば、アップル、グーグルなどのIT企業の役割は大きくならざるを得ない。電気車業界で革新のアイコンになったテスラが急激に市場を拡大する状況は、アップルなどその他のIT企業を焦らせるに十分だ。自動車業界の関係者は、「自動車企業各社は現在の状況を、『ひょっとすれば昔のノキア、モトローラのように墜落する可能性がある』というシグナルと読むだろう」とし、「誰がアップルと手を組むか、自動車企業がどれほど革新できるかが今後の自動車業界の変化の核心ポイントになるだろう」と語った。


金道炯 dodo@donga.com