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政府が手を離している間に「コロナ地獄」になった拘置所・介護施設

政府が手を離している間に「コロナ地獄」になった拘置所・介護施設

Posted December. 30, 2020 08:45,   

Updated December. 30, 2020 08:45

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新型コロナウイルスの新規感染者が29日に1046人を記録し、3日ぶりに再び1千人台に増加した。死者数は最多の40人と集計され、酸素呼吸器の治療が必要な重症患者も330人と最多を記録した。感染者の数が急増したのは東部拘置所発の集団感染、重症患者の増加は介護施設の集団感染の影響が大きい。

ソウル松坡区(ソンパク)の東部拘置所では29日、233人に新型コロナウイルスの陽性が確認されるなど、初めての患者発生から1ヵ月で757人の感染者が発生した。コロナ事態後、単一施設内の最大規模の感染が、政府が管理する施設で発生したのだ。29日には感染した収監者の中から初めて死者も出た。拘置所のような集団居住施設は本来感染に脆弱なうえ、東部拘置所はすべての活動が室内でなされるアパート型の構造なので特別な管理が必要だ。にもかかわらず、法務部は最初の感染者が発生するまで収容者にマスクも支給しなかった。15日には15人が感染したにもかかわらず、3日が経って全数検査をした。収容者が定員を超過した過密状態で、収容人員の3割が感染して「コロナ地獄」という悲鳴が上がり、感染者345人を慶尚北道(キョンサンプクト)の青松(チョンソン)刑務所に移送した。

高齢者介護施設の状況はさらに悲惨だ。介護施設内で集団感染が発生した場合、コホート(同一集団)隔離するが、重症患者はコロナ専門病院に移送して治療しなければならない。しかし、患者の急増にともなう病床不足で、移送を待って家族の顔も見ずに死亡した患者が今月に入って40人以上だ。コロナ診療の経験がある医療従事者もおらず、人工呼吸器も足りない。コホート隔離をするのは患者を放置することと変わりない。今年2月、第1波の時、慶尚北道の淸道大南(チョンドデナム)病院で集団感染が発生して死者が続出すると、介護施設の大規模感染に備えなければならないという指摘が提起された。今まで何をして、このような事態を招いたのか。

今は流行の第3波が襲い、海外ではウイルスの変異種まで流行し、統制不能の状態に突き進んでいる。矯正施設や介護病院は高危険群に該当するが、単一施設の特性上、集中的に管理すれば被害をいくらでも減らすことができる。追加の空間を確保して密集しないようにし、毎日検査を実施して感染者を見つけて隔離し、重症患者は適時に治療を受けられるよう使用可能な病床と医療および看病人員の拡充を急がなければならない。感染症のような危機であればあるほど保護の死角地帯に置かれた人々がいないようにすることが、国家が存在する理由だ。