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トランプ陣営が大統領選訴訟で連敗、遅延戦法へ舵切りか

トランプ陣営が大統領選訴訟で連敗、遅延戦法へ舵切りか

Posted November. 23, 2020 08:38,   

Updated November. 23, 2020 08:38

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トランプ米大統領側が、大統領選挙の結果を受け入れず、主要激戦州で起こした訴訟で次々に敗れている。にもかかわらず、トランプ氏は各州の選挙人の確定を阻止するために、開票結果の認定を遅らせようとするなど、「逆転」への心細い希望を持ち続けている。しかし、多くの激戦州が今週、開票結果を認定する予定なので、バイデン前副大統領の勝利がこのまま固まる可能性が高いとみられている。

21日、ペンシルバニア州ウィリアムスポート連邦地裁のマシュー・ブレン判事は、「ペンシルバニア州の郵便投票に不正があった」として開票結果の認定停止を求めるトランプ陣営の訴えを棄却した。元ニューヨーク市長のジュリアーニ氏を中心とするトランプ陣営の法律チームは、ペンシルバニア州の有名な共和党員であるブレン氏がトランプ氏に有利な判決を下して逆転の踏み台になることを期待していたいという。

しかし、ブレン氏はむしろ、「推測に基づいており、証拠がない。このような主張では、一人の参政権を剥奪することも正当化されない」とし、トランプ陣営の無理な提訴を強く批判した。米メディアは、「ペンシルバニア州は23日に開票結果の認定を控えており、今回の訴訟棄却はトランプ陣営に致命打になるだろう」と指摘した。

 

トランプ陣営は、他の激戦州の法廷争いでも苦杯をなめている。アリゾナ州では19日、人口が最も多いマリコパ郡の開票結果の認定停止を求める共和党の訴えが裁判所で棄却された。最も激しい接戦を繰り広げたジョージア州でも同日、開票過程の不正を主張し、認定停止を求めたある保守弁護士の訴えが失敗に終わった。ジョージア州は翌日の20日、500万票にのぼる独自再集計の結果、バイデン氏の勝利が確定したと発表した。これを受けてトランプ陣営は21日、望む結果が出なかったとし、追加の再集計を要求した。

CNNの集計によると、3日の大統領選後、21日までにトランプ陣営や支持者が裁判所に起こした32件の訴訟のうち2件を除く30件は、全てトランプ陣営側の敗訴または訴訟取り下げで終わった。トランプ陣営が勝ったケースも、共和党の参観人が開票の過程をもっと近くで見なければならないとか、一部の郵便投票者の身分証提示の期限を延長してはならない(以上ペンシルバニア州)など、開票結果に大きな影響を及ぼさないものだった。

まだ、判決が下されていない訴訟でも、トランプ陣営の勝算は高くない。「ネバダ州で死んだ人の名前で投票があった」などの理由で選挙結果の無効を求める数件の訴訟があるが、このうち一部は棄却された主張の二番煎じだ。ウィスコンシン州の一部地域でも、トランプ陣営が再集計を要請しているが、これにより選挙結果が逆転する可能性はほとんどない。

 

法廷争いが失敗に終わると、トランプ陣営は遅延戦略に軸足を移している。ミシガン州の共和党と共和党全国委員会(RNC)は21日、ミシガン州の開票参観人委員会に書簡を送り、開票結果の認定を2週間遅らせるよう要請した。ミシガン州最大都市デトロイトが含まれたウェイン郡の開票結果の監査が必要というのが理由だ。参観人委員会は、民主党と共和党から2人ずつで構成され、共和党側の人々がこれを受け入れる場合、ミシガン州の開票認定に混乱が予想される。ミシガン州もペンシルバニア州と同様、23日に開票結果の認定を控えている。

トランプ氏がこのように法廷争いに没頭し、国政や外交活動から事実上、手を離しているのではないかという指摘も多い。21日午前にリモートで開かれた主要20ヵ国(G20)首脳会議で、トランプ氏はサウジアラビアのサルマン国王が開会の演説をする間、「前例のない(投票)詐欺が明るみになるだろう」というツイートを投稿したと、ブルームバーグ通信が報じた。


兪載東 jarrett@donga.com