Go to contents

ロシアの宗教団体指導者、「軍事作戦」の末に逮捕

ロシアの宗教団体指導者、「軍事作戦」の末に逮捕

Posted September. 24, 2020 08:17,   

Updated September. 24, 2020 08:17

한국어

自分をイエスの生まれ変わりと主張し、各国から1万人の信徒を集めたロシアの似非宗教指導者が逮捕された。逮捕にはヘリコプターや特殊部隊まで動員され、軍事作戦を彷彿とさせたと、タス通信などが報じた。

ロシア政府は20日(現地時間)、警察だけでなくロシアの情報機関「連邦保安局」(FSB)、国家親衛軍などで特別捜査委員会を構成し、シベリア地域の宗教指導者セルゲイ・トロップ容疑者(59)を逮捕した。

ヘリコプター4機と覆面の数十人の武装兵士が容疑者と信徒が暮らすシベリアのペトロパブロフカ村に踏み込んだ。信徒が逮捕を妨害し、その隙に容疑者が逃走することを阻止するためだ。踏み込んだ現場にいた容疑者と2人の補佐官が逮捕された。

容疑者は「シベリアのイエス」あるいは「新しい人生を下す者」という意味の「ヴィサリオン」と呼ばれた。彼は26年前の1994年、「最後の教会」という宗教団体を設立した。長い髪やあごひげなどイエスの姿に似せ、自らを「2000年前に死んだイエスが復活した存在」と主張した。

容疑者は、シベリアのペトロパブロフカ村に「地上の楽園を作った」として信徒を集めた。ロシアだけでなく、フランスやイタリアなどを回って布教活動を行い、シベリア内で約5千人、世界から1万人を集めた。

 

問題は、事実上の似非宗教という点だ。容疑者は、自身の教理について、「神の啓示で作った地球上のすべての宗教の統合」と主張したが、ロシア正教会や終末論、環境主義などを混ぜ合わせた程度だった。容疑者が1989年に解雇された「交通警察」出身であることも分かった。金を儲ける行為を悪とし、信徒に禁じるなど様々な奇行もあった。

無理な群集生活で病気になったり自殺したりする信徒が現れ、ロシア当局が監視を始めた。容疑者が信徒を虐待して金を奪って横領した疑いが最近発見され、20日に逮捕作戦が実施されたと、英紙ガーディアンは伝えた。ロシア当局は、「有罪が確定すれば、12年以下の懲役に処すだろう」と明らかにした。


金潤鍾 zozo@donga.com