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国連でも「終戦」を力説した文大統領、非核化が抜けた政治宣言は始まらない

国連でも「終戦」を力説した文大統領、非核化が抜けた政治宣言は始まらない

Posted September. 23, 2020 08:14,   

Updated September. 23, 2020 08:14

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は今日未明、国連総会の画像基調演説で、「今、韓半島で戦争は完全かつ恒久的に終息されなければならない」として、終戦宣言を巡る国連と国際社会の支持を呼びかけた。また、文大統領は、コロナ以降の包容性を強化した国際協力のための南北と中国、日本、モンゴルが参加する「北東アジア防疫・保健協力体」の構成を提案した。

文大統領が米朝交渉決裂と共にしばらく忘れられていた終戦宣言を国連演説で取り出したのは、何とか対話局面を復元させたいという希望を込めたとも受け止めることができる。しかし、米朝交渉の過程を振り返れば、終戦宣言は事実上放棄されたカードになって久しい。政府は終戦宣言を韓半島の非核化・平和プロセスの出発点であり、入口になりうる政治的宣言として提示した。しかし、一昨年のシンガポールと昨年のハノイ会談を経て、米朝は大きな認識の差を現した。

特に米国は終戦宣言を「韓国のアジェンダに過ぎない」として、ややもすれば、実質的な非核化なしに、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制の保障だけを約束する終戦宣言の逆効果を懸念した。北朝鮮も一時、体制安全保障と対北朝鮮制裁の緩和を得る手段として終戦宣言を活用したが、米国の先に非核化の要求に期待を捨てた雰囲気だ。だから終戦宣言は、今や米朝対話を復活させるカードになるよりは、韓国だけの執着として映りがちな局面となっている。

米朝首脳のシンガポール共同宣言も、全世界のスポットライトが当てられた大きな合意だったが、守ることすらできない政治的宣言で終わった。あの失敗を取り戻すために必要なのは、北朝鮮が実質的な非核化をどのように始めるのか、そしてどのように完結するのかを具体的に提示するロードマップだけだろう。韓半島の終戦宣言にいくら立派なフレーズを盛り込むとしても、非核化の実行無しでは、外交ショーのみ繰り返されざるを得ない。

現在、米大統領選挙を40日後に控えた状況で、直ちに韓半島は、北朝鮮が米大統領選挙を前後にして、いかなる無謀な挑発に出るのか分からない不安定な情勢に置かれている。このような北朝鮮の冒険主義本能に対する厳重な警告もなく、もう一つの政治的宣言だけを出したのなら、果たして韓半島問題の直接当事者として責任ある役割を果たしているのか自問しなければならない。