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中印国境地帯で威嚇射撃、国境対立が悪化

中印国境地帯で威嚇射撃、国境対立が悪化

Posted September. 10, 2020 07:50,   

Updated September. 10, 2020 07:50

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中国とインドの国境地帯で、45年ぶりにインド軍が威嚇射撃したのに続き、中国官営メディアが「戦争準備はできている」と警告し、両国が一触即発の危機を迎えている。両国が国境付近に戦力を増強する中、亡命者出身の特殊部隊が投入されたほか、「偃月刀」まで登場した。

中国共産党系メディアの環球時報の英語版「グローバル・タイムズ」は9日、論評を通じて、「中国はインドとの戦争を望まないが、戦争の準備は徹底して行っている」とし、「インドが挑発を続けたり、状況を誤認してはならない」と主張した。また、「現在の状況は、1962年の国境紛争と似ている」とし、「あの時もインドは中国に勝つことができると誤認した」と指摘した。この紛争で、インド軍約3000人が死亡、中国軍の死傷者は少数にとどまった。

これに先立ち、中国人民解放軍報道官は7日夜、声明を出し、「インド軍が中国軍に威嚇射撃をした」とし、関係者の処罰を求めた。インド軍は直ちに反論声明を出し、「中国軍が先に空中に発砲した」と主張した。双方の主張が交錯するが、射撃があったのは事実のようだ。両国が公式に射撃があったことを確認したのは45年ぶり。1975年に国境で最後の射撃があった後、1996年に両国は協定を結び、国境で偶発的な状況を阻止するために銃の携帯を禁止した。

 

両国は6月、ラダック地方で発生した衝突で、インド軍兵士20人が死亡した後、対立が激しくなっている。中国とインドは核兵器を保有する国だが、銃携帯禁止協定を先に破ったという口実を与えないために、金棒や槍で武装したり特殊部隊を投入している。

9日、NDTVなどインドメディアは、中国軍が中世に見られるような凶器で武装したとし、写真を公開した。写真の中国軍は、棒や槍だけでなく「偃月刀」と呼ばれる刃物も持っていた。偃月刀は、三国時代の蜀の武将、関羽が「青龍偃月刀」を使ったとして「関刀」とも呼ばれる。これに先立ち6月、中国軍はインド軍との乱闘で、大釘を打ち込んだ棒を使用した。

インド軍はこのような中国軍を相手にするために、チベット亡命者で構成された特殊部隊(SFF)を国境に投入した。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストによると、先月29日、インド軍が中国との国境地帯のパンゴン湖から中国軍を追い出すためにSFFを動員した。SFFは海抜4000メートルに居住するチベット出身亡命者で構成され、この地域への適応力が非常に高い。また、チベットを強制占領した中国に対する敵愾心も強い。インド政府は当初、SFF隊員が感情を押さえられずに事態を悪化させることを心配して、中国との対立現場に投入しなかった。しかし、国境地帯の状況が深刻化し、SFFまで投入した。

中国とインド両国は現在、国境地帯で装甲車など兵力を次々に派遣し、対立を続けている。中国は最新ステルス戦闘機「殲20」を国境に最も近い空軍基地に送り、インドは7月にフランスから持ってきたラファール戦闘機5機を中国との国境地帯に配備した。


金祺容 kky@donga.com