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中国共産党100周年を前に高まる反中感情

中国共産党100周年を前に高まる反中感情

Posted September. 09, 2020 08:22,   

Updated September. 09, 2020 08:22

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「ミルクティー同盟(Milk Tea Alliance)」という言葉がある。今年、香港、台湾、タイの若いデモ隊が反独裁、反中デモに共感して作った連帯だ。これらの国でミルクティーが共通して愛されているということからついた名前でもある。SNSには各国のデモ隊がミルクティーを持って勝利の乾杯をするイメージが投稿されている。

SNSデモで終わるわけではない。8月16日、タイ・バンコクで総選挙を要求する反政府集会に2万人が集まった。2014年の軍事クーデターでプラユット政権になって以降、最大規模だった。同じ頃、台湾の首都タイペイの中央駅広場でもデモが行われた。タイで開かれた反政府デモを支持する連帯デモだった。「民主主義のための汎アジア同盟が必要」という声も上がった。

ところで、このようなミルクティー同盟のターゲットが次第に中国に拡大する様相だ。台湾と香港で起こった反中デモにタイなどが支持を送っている。南シナ海をめぐって中国と争っているフィリピンでも、中国と深刻な国境紛争を経験しているインドでも、ミルクティー同盟への参加の動きが起こっていると、ロイター通信は伝えた。すると中国も警戒心を表わした。中国外務省は、「香港と台湾の独立を望む人々は、しばしばオンラインで結託している。しかし、謀議は成功できないだろう」と警告した。

今年に入って国際社会に反中感情が急速に広がっている。中国武漢が新型コロナウイルス感染症の発生源と指定され、中国に対する非難が大きかった。中国は世界保健機関(WHO)の武漢現地調査を受け入れたが、これまで調査チームが武漢を訪れることができず、論議も大きくなっている。ここに中国が5月末、香港国家安全維持法を強行処理したことへの西側世界の反発は、経済制裁などで現実となっている。何より香港民主化に貢献した人々の生命権や財産権が「俎上の魚」の境遇になったと懸念されている。

中国も、反中感情が高まる状況を深刻に見ている。中国国家安全省傘下のシンクタンク中国現代国際関係研究院は、「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、世界の反中感情が1989年の天安門事件に劣らず高まっている」と報告し、最近、中国最高指導部に伝えた。「反中感情は中国の一帯一路事業に対する抵抗も呼び起こす恐れがある」と警戒した。

状況がこのようになると、中国外交のトップらの動きが忙しくなっている。中国の外交担当トップの楊潔篪・共産党政治局員が先月、シンガポールと韓国を訪れ、王毅外相も、フランスやドイツなど欧州5ヵ国を訪問した。さらに楊氏は再び今月初めにミャンマーやスペイン、ギリシャを訪れた。コロナ事態で対面外交が萎縮した状況で、中国の外交ランキング1、2位が奔走している。

しかし雑音は相変わらずだった。ドイツのハイコ・マース外相らは、香港国家安全維持法を問題視し、王氏の顔が赤くなったという。楊氏が釜山(プサン)で徐薫(ソ・フン)大統領府国家安全保障室長に会って、両国関係の増進など円満な対外メッセージを出したこととは全く違うムードだった。

このような状況で、中国共産党は来年100周年を迎える。中国は「小康(すべての国民が安らかで豊かな生活を享受する)社会」の完成を祝う予定だが、反中感情が高い状況では彼らだけの祭りになる可能性が高い。また、中国は建国100周年となる2049年までに米国に対抗する強力な新中国の建設を目指しているが、このような中国の野心に周辺国では期待に劣らず憂慮も大きい。

 

習近平国家主席は最近、中国抗日戦勝75周年の座談会で、「誰であれどんな勢力であれ中国共産党の歴史を歪曲し、卑下しようとすれば、中国人民は絶対容認しない」と警告した。米中競争が激しくなる中、ワシントンを狙った発言かもしれないが、中国覇権主義に挑戦する勢力は誰であれ懲らしめるという言葉と読める。しかし、他の主権国との関係を力で押さえつけることはできないことだ。そうなればますます反中連帯は堅固になるほかないということを中国は自覚しなければならない。


黃仁贊 hic@donga.com