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韓流、韓日関係改善のカギになるか

Posted August. 21, 2020 08:58,   

Updated August. 21, 2020 08:58

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12日夜、東京新宿のダンススクールを訪れた。20人余りの10代の女子生徒が、約33平方メートルの狭いスペースで盛り上がっていた。彼女たちは、最近デビューした9人組のガールズグループ「NiziU」の歌を聴きながらNiziUのダンスを練習していた。

NiziUのメンバー9人は全員日本人だが、芸能事務所は韓国のJYPエンターテイメントだ。彼女らのダンス、ファッション、活動方式は全てKポップに根を置いている。これに先立って、今年3月にデビューした男性アイドルグループ「JO1」の芸能事務所も、韓国のCJ・ENMだ。JO1も、Kポップ特有の「切れ味抜群の切れの良いダンス」をよく踊ることで有名だ。

このように、最近日本では、韓流の現地化が目立つ。かつては韓国の俳優や歌手が登場したドラマと歌を通して韓流が広まったが、今は日本人が行為の主体となって、他の日本人に韓流を広めるという意味だ。韓国は、そのシステムと成功のノウハウを輸出する首脳部の役割を担う。

NiziUとJO1をKポップの歌手と見るべきか、Jポップの歌手と見るべきかについての議論も盛んである。日本人が日本語の歌詞で歌を歌って日本市場で活動するが、その「オリジナル技術」は、韓国から来ただけに、Kポップグループと見るべきだという意見が次第に力を得ている。このようなアイデンティティ論議が起こること自体が、現在の韓流ブームが過去とは違うという認識を示しているという分析が提起される。

実際、この日、ダンススクールで会ったみほさん(18)は、「同年代の日本の少女たちが韓国歌謡を歌い、韓国語を駆使する姿自体がカッコイイ。だからNiziUのダンスを学びにきた」と話した。彼女は、「高校を卒業すれば、韓国に渡ってダンサーになりたい」とも話した。

BoA、東方神起などが活躍した2000年代前半と半ば、多くの日本人は「ユニークだ」「日本ではなかなか目にできない」と、韓流を一種の「珍味」として扱った。記者の周りにも「日本に馴染みのない、独特の韓国文化が登場して一時的に成功を収めた」というふうに評価した日本人が少なくなかった。今は変わっている。みほさんのように、韓国のオリジナル技術を学びたいという日本人が増えることこそ、韓流が一時の流行でないことを示しているという気がする。

日本の公職社会が韓国を眺める視線も相当変わっている。とある外務省の幹部は、「外務省の中に韓国語を勉強する若い職員が多い。韓国語を『クール』と『ヒップ』に見ているという意味だ」と伝えた。安倍晋三首相の側近も、「BTSが英語でもない韓国語のアルバムで、米ビルボードアルバムチャート1位を記録したのは本当にすごい」と話した。

日本の半導体素材の輸出規制、強制徴用賠償問題などで悪化した韓日関係が、なかなか突破口を見つけられずにいる。このような状況で、日本に深く染み込んでいる韓流が、両国国民の文化的距離を縮めてくれるのではないだろうか。政治的には、全く解決できる兆しが見えない凍った両国関係を解決するカギが、「文化」にあるのかもしれない。


東京=キム・ボムソク特派員 bsism@donga.com