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猫も杓子もオンラインコンサート「違ってこそ売れる」

猫も杓子もオンラインコンサート「違ってこそ売れる」

Posted August. 12, 2020 08:33,   

Updated August. 12, 2020 08:33

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「ロラパルーザの2020Tシャツを絶賛販売中!」

先日終わった米シカゴの大型音楽祭「ロラパルーザ」フェスティバル(7月30日〜8月2日)のオンラインでの生中継における中間広告だ。ロラパルーザは、カリフォルニア州の「コーチェラ」と北米を代表する屋外大衆音楽フェスティバル。毎年数十万人の観客が詰めかけるが、今年はすべての公演をオンラインでの生中継に切り替えた。いつものようにフェスティバルのスケジュールを組んで、4日間150件の公演を流したが、ポール・マッカートニーなど、一部の音楽家の舞台は数年前に出演した映像を再放送し、新しい公演も非対面録画送出で行った。このうち映像美を活用した独自の舞台演出と同じくらい目立ったのは他でもない、頻繁に出てくるTシャツ広告だった。カラフルなデザインに「ロラパルーザ2020」と書かれたお土産のイメージを休み時間ごとに流して、購入を促した。

新型コロナの長期化によってオンラインコンサートが一般化しており、公演界では様々な差別化や収益化に乗り出している。オフラインコンサート時は公演会場のブースで様々な記念品を売るように、オンラインコンサートに合わせた商品販売も、それに劣らない収益源となっている。ロラパルーザの場合、初めて開かれた仮想フェスティバルだったという点で、「2020」が印刷された商品は、マニアの間で買うに値するアイテムとなっている。コーチェラがフェスティバル全体をキャンセルしたのに比べれば、ロラパルーザの選択は、機転と実利をすべて狙ったことになる。

国内フェスティバルも例外ではない。10月に開かれるチャラ島国際ジャズフェスティバルは、イベント期間中にピクニックセットなどの関連商品を販売する計画だ。主催側の関係者は、「『2020Tシャツ』の希少性も考慮した。しかし、来年以降のオフライン祭に使えるべき実用性により重点を置いて、Tシャツの代わりに、他のお土産の生産を企画している」と語った。新型コロナによってキャンセルされた国内野外音楽祭の関係者も、「結局生産を諦めたが、イベントは中止しても『2020Tシャツ』だけは需要があると見て、生産・販売方策について最後まで悩んだ」と耳打ちした。

宗教的ファンダムの強いK-POPのアイドル歌手と各芸能事務所は、すでにかなりの収入を得ている。防弾少年団からトゥワイスまで、新型コロナ事態以降、オンラインコンサートを開いたK-POPスターたちは約束でもしたかのように、関連商品のオンラインでの販売に力を入れている。

猫も杓子もオンラインコンサート市場に参入したことで、演出手法を巡る悩みも大きくなっている。舞台が一瞬花畑に変わったり、メンバーたちの分身が登場するように情報技術(IT)を活用した拡張現実(AR)が、現在は「坊主に袈裟」の演出法となっている。しかし、似たような映像に簡単に飽きてしまうMZ世代(ミレニアル世代とZ世代)の好みをつかむための熾烈な悩みは、これからが本番と言える。チャラ島フェスティバルは、ジャズ解説、京畿加平(キョンギ・カピョン)の名所紹介などを組み合わせた映像コンテンツを企画している。

とある公演業界の関係者は、「世界の主要オンライン公演をユーチューブで毎日モニターしながら傾向を分析し、ベンチマークと差別化を準備している。まだオンラインコンサートを一度もやっていないYGエンターテイメントも、その方向に向け戦略を練っている」と語った。


イム・ヒユン記者 imi@donga.com