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暗雲の島

Posted August. 11, 2020 08:18,   

Updated August. 11, 2020 08:18

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1943年12月26日、米海兵第1師団がニューブリテン島に上陸した。この島は、ニューギニアの東側にある細長い島で、東端に日本軍の航空隊基地で有名だったラバウル要塞があった。米軍は、島の反対側の端のグロスター岬から上陸した。そのおかげで抵抗は小さかったが、ラバウルまで行くには、曲がったソーセージのような島を進まなければならなかった。

あの頃も世界を一周する旅行客はいたが、多くの青年は外界を知らなかった。太平洋戦線に投入された米軍兵士が知る南太平洋は、ジャングルにはヤシの木とトロピカルフルーツがいっぱいで、青い海を背景に原住民の娘がフラダンスを踊る所だった。

彼らが出会った南太平洋の自然は全く違った。見たことも聞いたこともない地形と気候が彼らを迎えた。死の罠に溢れた悪臭のするジャングル、ぬかるみ、雨、ヒル、虫、伝染病、このような悪条件はすべての島に共通したが、島ごとにそのうちの一つが特にひどかったりした。

ニューブリテン島の特徴は雨だった。この島は暗雲の島だ。どしゃ降りの雨がほぼ一年中続く。上陸した隊員らは、上陸から1ヵ月経って初めて太陽を見たという。急いで濡れた服と毛布を広げると、敵機が襲撃してきた。

雨は、ぬかるみを泥沼にし、ジャングルはますます生い茂った。日常用品にはすべてカビが生え、人の肌も例外ではなかった。兵士の必需品はハンモックだった。地面は濡れ、横になる所はなかった。兵士は毎晩、ハンモックを縛る木を見つけるために争った。時には、良い木が雨で弱まった地盤のために倒れ、兵士を襲った。太くて丈夫な木ではなく、倒れない木を探さなければならなかった。

半世紀前の南太平洋の話で聞いた場面が、身近に感じられる。梅雨で1週間ずっと雨が降ることは経験しても、1週間降り注ぐ豪雨は初めて経験する。気候変動の警告は20年前からあった。人間が天災を完全に備えることはできないが、無視したり政治的理由で背を向けたりすることはあってはならなかった。