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温度計だけを信じてはならない

Posted July. 25, 2020 08:37,   

Updated July. 25, 2020 08:37

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韓国には大きな被害を与えていないが、中国と日本に大きな被害を与えた今年の梅雨も来週で終わるとみられる。今、私たちが備えなければならないのは、これからの夏の猛暑だ。すでに冬には氷点下68度まで下がって、世界で最も寒い地域として広く知られているロシア・ベルホヤンスクの温度計が過去最高の38度まで跳ね上がり、今年の夏の暑さが尋常でないことを予告した。

暑さは、私たちの生存と直結する問題だ。身体は、体温を36.8度で一定に維持しようとするので、すぐに体温が3度以上高い状態が数時間続けば、命が危険になる。体温が高くなると、肌の表面に汗が出て、熱の早い発散を助ける。しかし、湿度が高いと、同じ温度であっても汗が容易に蒸発しない。

温度と湿度を反映する湿球温度(TW)を基準に35度に達すれば、それ以上汗が蒸発せず、私たちの体は熱を排出できない。35度の湿球温度が「生存限界温度」と呼ばれる理由だ。米カリフォルニア工科大学の研究者によると、すでに、アジアのインダス川流域、中東ペルシャ湾の紅海沿岸地帯、北米南西部の海岸地帯などで湿球温度で35度以上が記録された。

湿球温度も不慣れだが、私たちが気に使わなければならない温度がもう一つある。ほかならぬ輻射熱と関連がある黑球温度だ。同じ気温、同じ湿度であっても、輻射熱によって私たちの体が感じる熱ストレスが異なるからだ。湿球温度が私たちの体の自律的な管理と関係しているなら、黑球温度は私たちの体が受ける被害と深い関係がある。

結局、湿球温度と黑球温度の両方を知ってこそ、私たちの体が経験する熱についてきちんと把握できる。そのために用意されたのが、気温と輻射熱、湿度を全て考慮した温熱指数(WBGT・Wet-Bulb Globe Temperature)だ。米国防総省が訓練兵の屋外訓練時の熱中症の被害を軽減しようと開発した温熱指数は、日本と豪州の気象庁から発表されている。

国内では、ソウル市が温熱指数を最もよく活用している。ソウル市は昨年、850カ所にIoT都市データセンサーを設置して、温熱指数を主要な都市環境の指標とした。特に陽川区(ヤンチョング)には、18個の都市データセンサーに黑球温度計が設置されていて、温熱指数の測定に活用されている。このデータによると、同じ区でも位置によって温熱指数の値が25.7と29.1で3.4まで差がある。この指数が最も低いところは、水分だけを十分に摂取すれば、30分以下の運動が可能だが、最も高いところでは、激しい運動そのものを避けなければならない。

今まで私たちは、温度計の数字だけを信じて、暑さを判断することが多かった。しかし、温度計が指す数字は私たちの体が感じる暑さと異なるということを覚えておいて、自分の体に合った対処法を作らなければならない。また、学校や屋外での仕事を中心に、温熱指数を考慮した行動指針も作成する必要がある。すべての国民が、自分の体が感じる暑さについてより正確に把握し、賢明に暑さを克服できる日が到来することを期待したい。