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ニューヨークが新型コロナの危機で学んだ4つの教訓

ニューヨークが新型コロナの危機で学んだ4つの教訓

Posted July. 11, 2020 08:14,   

Updated July. 11, 2020 08:14

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米国で新型コロナウイルスの被害が最も大きかったニューヨーク市が危機から立ち上がっている。飲食店が野外で営業を始め、デパートも営業を再開した。米全域で新型コロナウイルスの累計感染者が300万人を超え、「第2波」の懸念が大きくなっているが、ニューヨーク市の最近の状況はかなり安定的だ。ニューヨーク州では7日(現地時間)現在、人工呼吸器に依存する感染者が97人にとどまった。人工呼吸器の患者が100人を下回ったのは3月16日以来初めて。

ニューヨークは、無防備状態で新型コロナウイルスに襲われた後、高価な教訓を得た。第1に、ウイルスは人を選ばないが、感染拡大は地域によって差が大きかった。ニューヨークの救急医療施設「シティ・エムディ(CityMD)」によると、低所得層労働者が多いクイーンズ地域で、新型コロナウイルスの抗体保有率が68.4%だった。検査を受けた10人に7人近くが新型コロナウイルスにかかって抗体が形成されたということだ。抗体検査が、疑わしい症状があって医療施設を訪れた人を対象に実施されたので、実際の住民の抗体保有率より高い可能性があるが、感染症専門家たちが集団免疫の「マジックナンバー」に挙げた抗体保有率6割を超えた。一方、ブルックリンで白人と富裕層が多く居住するコブルヒル地域の病院では、抗体陽性者が13%にとどまったと、米紙ニューヨーク・タイムズは伝えた。先月26日現在、ニューヨーク市で31万4千人を調査した結果、抗体保有率は26%と調査された。

第2に、感染拡大の速度が地域、所得によって差があるため、第2波に備えた対策が重要だということを学んだ。飲食店、食料品店、医療施設、建設労働者など新型コロナウイルスの危機でも出勤しなければならない必須業種の労働者が多い地域で感染率が高かった。必須業種の労働者たちが外で感染した後、数世帯が居住する家に帰って、家族内の「スーパース・プレッダー」になる事態が起こった。第2波に備えて必須業種の労働者の保護対策と脆弱地域の医療インフラの拡充が必要と指摘されている。

第3に、第1波の時に相対的に善戦した安全地域が第2波でも安全地帯というわけではないということだ。抗体保有率がどれほど持続するのか、集団免疫がどれほど効果があるかは検証が必要だが、第1波で感染者が少なかった地域は、第2波が始まれば、感染者が急増する潜在的な危険にさらされているというのが専門家たちの見方だ。

第4に、予防対策はいくら強調してもしすぎることないということだ。初期の頃、マスクをつけた東洋人が地下鉄の駅で暴行に遭うほどマスクに対する拒否感が強かった。最近はマスクをつけなければ地下鉄に乗ることができず、商店に行くこともできない。商店ごとに「No Mask, No, Entrance(マスクをつけなければ入店禁止)」という案内文が貼られている。閑静な公園の散策路で他人とすれ違う時、立ち止まってマスクをつけるのが常識になった。

3年間のニューヨーク特派員の任期を終えて9日、仁川(インチョン)空港に到着し、韓国の体系的な防疫システムを体験した。ニューヨークで感じることができなかった、体系的管理を経験し、「K防疫」が成功できた理由を実感した。おかげで韓国の感染者と死者が少なく、新型コロナウイルスの抗体保有率も0.03%にすぎないことがわかった。第1波の防疫には成功したが、第2波の潜在危険が大きな国ということだ。集団免疫が不可能なため、ワクチンと治療薬が出てくるまで、韓国の選択は一つだけだ。社会的距離を維持することの緊張を緩めず、他国の事例を反面教師として状況に応じて対策を補完し、第2波に備えることしかない。K防疫の成功は、私たちには機会であり危機である「諸刃の剣」だ。


朴湧 parky@donga.com