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UNIST研究チーム、「爪サイズの高画質動画3万本を保存」

UNIST研究チーム、「爪サイズの高画質動画3万本を保存」

Posted July. 03, 2020 08:33,   

Updated July. 03, 2020 08:33

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韓国研究グループが、電圧だけを変えて原子一つ一つに情報を保存する新概念のメモリ半導体の原理を発見した。今より情報の保存容量を1000倍以上増やすことができるし、従来の半導体材料をそのまま使えるので、商用化の可能性が高いと評価される。

蔚山(ウルサン)科学技術院(UNIST)のイ・ジュンヒ・エネルギーと化学工学部教授チームは、半導体素材として使用されている酸化ハフニウム(HfO2)半導体の保存容量を今より1000倍に増やすことができる技術を開発したと、2日明らかにした。これは、高画質(HD)映画3万本に相当する500テラビット(Tb)を爪サイズに保存できるレベルだ。

研究チームは、現在のDラムやNAND型フラッシュメモリに代わる次世代候補に挙げられる「強誘電体メモリ(Fラム)」に注目した。Fラムは、電気を加えれば原子の位置が変わる強誘電体現象を利用して、情報を記録して読み取る原理だ。電源を切っても情報がそのまま残っており、情報を記録して除去する速度がフラッシュメモリより1000倍も速い。

しかし、Fラムは、情報を保存するために原子を動かせば、原子の間の力のために、原子数千個が同時に「どっと」動く特性があり、線幅を減らすのが難しいという短所がある。一つの情報を保存するためには、数ナノメートル(nm・10億分の1メートル)の線幅を持つ従来の半導体よりはるかに大きい20nm以上が必要である。このため、Fラムは、フラッシュメモリより商用化がさらに遅れている。

研究チームは、強誘電体物質である酸化ハフニウムに3〜4Vの電圧を加えると、原子の間の力が失われることを突き止めた。原子同士を結んでいた相互作用が瞬間的に消えると、原子一つ一つを自由に動かすことができる状態になった。スーパーコンピュータで分析した結果、電圧を加えると、酸化ハフニウムの中の酸素原子4個がペアを組んで位置を変えることが分かった。酸素原子4個の長さは0.5nmに過ぎない。理論上、線幅を0.5nmまで減らすことができるという意味だ。

従来の半導体の最小線幅は5nmまで減少した。今回の発見で、理論的には、これを10分の1以下にさらに減らすことができるようになった。イ教授は、「まるでピアノ鍵盤のように、他の原子に影響を与えないまま、一つ一つの原子を個別に調整できるし、これらを組み合わせて数多い新しい情報を保存することも可能である」とし、「同じ空間に1000倍以上の情報をさらに保存できる」と語った。

常温で、電圧だけを加えて原子間の相互作用をなくす方法を発見したのは初めてだ。このような現象は、零下200度以下で抵抗がゼロになる超伝導体ではよく発見されるが、実験条件が難しく、実際に活用するのは難しかった。イ教授は、「実生活の環境で、原子の相互作用をどのように排除するか悩んで、すべての分野で活用する電気を思い出した」とし、「電気を使うすべての半導体にすぐに適用できる」と語った。

半導体の線幅を減らせば、電極などの部品も減らさなければならないという問題がある。研究チームは、この問題も、原子半導体を用いて克服できると明らかにした。電極を減らさなくても、電圧を少しずつ調節する方法で、電極上に置かれた複数の原子を一つずつ動かすことができる。イ教授は、「電極が微細でなくても、原子を個別に読み取ることができるという意味だ」と語った。

イ教授は、「超集積半導体分野で、世界的な競争力を確保するための基盤ができた」とし、「原子に情報を保存する技術は、原子が割れない限り、半導体産業の最後の保存技術になる確率が高い」と語った。今回の研究は、国際学術誌・サイエンスに3日掲載された。


チョ・スンハン東亜サイエンス記者 shinjsh@donga.com