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本土からわずか9時間、米最精鋭空輸部隊がグアムで降下訓練

本土からわずか9時間、米最精鋭空輸部隊がグアムで降下訓練

Posted July. 02, 2020 07:45,   

Updated July. 02, 2020 07:45

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米陸軍が本土に駐留する空輸部隊を9~10時間でグアム基地に大規模に緊急展開する訓練を実施した。核(B-52)・在来式(B-1B)戦略爆撃機のグアムとアラスカへの前進配備、韓半島付近のフィリピン海における2つの空母打撃群の合同訓練に続き、北朝鮮と中国に域内の戦略的優勢をアピールする狙いがあるとみられる。

1日、米インド太平洋陸軍によると、先月30日未明、アラスカのエルメンドルフ空軍基地から米第25歩兵師団第4戦闘旅団所属の空輸部隊員約400人が完全武装でC-17(グローブマスター)大型輸送機4機に乗って基地を出発した。

その後、輸送機は9~10時間で約7600キロ離れたグアムのアンダーソン基地上空に到着すると、部隊員は一斉に降下訓練を実施したと、米陸軍は伝えた。地上に着陸した部隊員が仮想の敵施設と標的を掌握するなど、占領地の安全を確保する内容も含まれたという。

米インド太平洋司令部の核心拠点であるグアム基地でこのように大規模な降下訓練が実施されたのは初めて。グアム基地には米戦略兵器のB-1B爆撃機が配備されている。米陸軍関係者は、「実戦と同じ状況で任務完遂態勢を点検するため」とし、「今回の訓練を通じて(空輸部隊が)インド太平洋司令部の作戦地域のどこにでも直ちに投入できる能力を立証した」と話した。

米陸軍は、今回の訓練が域内で進行中の合同訓練の一環であるとし、特定国家を狙ったかどうかについては明らかにしなかった。しかし、軍内外では北朝鮮と中国を牽制する「力の誇示」ということに意見の相違はない。

韓米を狙った北朝鮮の挑発など韓半島の有事や中国との南シナ海での武力衝突のような危機状況を想定した可能性が高いということだ。軍消息筋は、「中朝両国による北東アジア危機事態で、大規模な最精鋭空輸部隊を最短時間に域内に投入し、強力に対処するという意思を示した」と強調した。一部では、北朝鮮に与えるメッセージがより意味深いという分析も出ている。今回の訓練シナリオを韓半島に適用する場合、北朝鮮の全面挑発などの危機事態時にアラスカから約6時間で大規模な米空輸部隊が韓半島に展開できるためだ。

実際に今回のグアム降下訓練に参加した米第25師団第4戦闘旅団は、インド太平洋司令部に配置された唯一の米陸軍空輸旅団で、最精鋭戦闘部隊と評価される。「イラク自由作戦」やアフガニスタンの「恒久的自由作戦」など中東紛争に主力部隊として何度も投入され、多くの戦果を上げた。この部隊は普段もアラスカ付近で仮想の敵施設に対する空中強襲訓練をしばしば実施しているという。軍関係者は、「韓半島の有事に他の空輸旅団と共に北朝鮮の核・ミサイル関連施設をはじめ指揮部や主要軍基地など核心目標物を同時多発的に掌握する内容も(訓練内容に)含まれたようだ」と話した。


尹相虎 ysh1005@donga.com