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無能な支配層がモンスターを作る

Posted June. 30, 2020 08:35,   

Updated June. 30, 2020 08:35

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ナポレオンは10歳で、フランスのブリエンヌ陸軍軍事学校に入学した。ブリエンヌへの入学は奇跡だった。伝統貴族が没落した時期なので、フランスは貧しい貴族子弟のための無償教育を拡大した。ブリエンヌ学校もそのような学校の一つだった。貧しい貴族が列をなし、競争率が極めて高かった。コルシカ人のナポレオンには入学が不可能な学校だったが、コルシカ総督の推薦で入学することができた。貴族社会の権力型不正が、ナポレオンを兵士にさせたことになる。

士官学校で数学は成績が良かったが、天才性は誰も発見できなかった。将校任官後の服務成績も判定不能だ。彼はいろいろな種類の言い訳をして部隊を離脱して、すぐコルシカに渡った。ここでの活躍振りも天才とは無縁だった。早急に野心を大きくして、命を落とすところだった。

ようやくコルシカを脱出後、ナポレオンは別人になる。明らかになった証拠だけで推測すれば、部隊離脱とコルシカでの経験がナポレオンを換骨奪胎させたことは明らかだ。この覚醒の過程を許したのは、フランスのみすぼらしい将校管理システムだった。1年以上も理由もなく有給休暇を与えていた軍は、フランス軍しかなかったのだろう。ナポレオンは、勤務地を離れて存分に歩き回り、革命と挫折、変身を経験した。

ナポレオンの戦術は、自分が考案したものではない。ナポレオンが、専売特許である砲兵の重要性に気づき、欧州最強の砲兵隊と将校を育成したこともフランスの功労だ。しかし、革命が勃発するまで、貴族将軍は、自分たちが保有する重要な資産を管理することも、育てることもなかった。結局、彼らの遺産はそっくりコルシカの若者に渡った。

没落する身分の特徴は、資産がないのではなく使うことを知らないことだ。その理由も簡単だ。他人に渡すことが嫌いで、自分の無能さを明らかにしたくないから、無能な集団ほど垣根を高くして、誰も聞いていない自分だけの論理で暇つぶしをする。まさにそのような無能と腐敗が、自分たちの破壊者を育てているという事実を知らないまま。