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予想より深刻なトランプ氏の同盟軽視、韓米同盟なき時代に備えなければ

予想より深刻なトランプ氏の同盟軽視、韓米同盟なき時代に備えなければ

Posted June. 24, 2020 08:50,   

Updated June. 24, 2020 08:50

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同盟をただ金の観点で見るトランプ米大統領の同盟軽視がこれまで知られていたよりはるかに深刻な水準であることが明らかになった。ボルトン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)の回顧録によると、トランプ氏は2018年7月、外交安保参謀に「私たちがなぜ韓国戦争に行って戦ったのか、なぜ依然として韓半島に大規模な在韓米軍が駐留するのか理解できない」と不満を吐露したという。また、「愚かなことを終わらせる」とし、実質的な措置に出ることを示唆した。

トランプ氏は一昨年のシンガポール米朝首脳会談では、韓米合同軍事演習の縮小を求める金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の要求に、「軍事演習は挑発的で、時間と金の浪費」と述べた。会談後の記者会見で参謀と一言も相談せず韓米合同軍事演習の中止を発表したのも、即興的だ。ハノイ米朝交渉が決裂した後には、「戦争に10セントも使ってはならない」と述べた。

トランプ氏はさらに、北朝鮮が超大型放射砲とミサイルを発射すると、「(韓国に)金を出せと言う機会」とし、在韓米軍駐留経費負担増加の圧力に活用するよう指示したという。韓米合同指揮所演習が行われた昨年8月には、「在韓米軍駐留経費の負担50億ドルの合意を取りつけることができなければ、そこから出ろ」と述べた。同盟の危機まで金儲けの機会とする考え方がホワイトハウスの主流であるため、韓米同盟の未来は脆弱になるほかない。

トランプ氏は執権初期から同盟と多国間安全保障よりも米国第一主義を土台にした新孤立主義の新たな国際秩序を作ろうとした。トランプ氏が再選すれば、在韓米軍の縮小または撤収問題を掲げた同盟費用問題が最大の懸案になる可能性が高い。トランプ氏が再選に失敗するとしても、このようなムードは完全には消えないだろう。米国が世界の警察の役割に疲労感を訴えて久しい。

 

韓国戦争70年を迎える韓国の安全保障の現実は、核保有国を自任する北朝鮮の挑発と中国の膨張主義、そしてこれを牽制する力の軸である韓米同盟が揺らいでいるという総体的な危機だ。トランプ式外交暴走が予想されるにもかかわらず、これを調整して説得する韓国の外交力は見当たらない。韓米同盟が揺らぐ場合、北朝鮮の核脅威にどのように対するのか対策を立てなければならない。韓半島周辺の情勢は、韓国に安全保障の自己救済策を準備するよう警告信号を送っている。今は韓米同盟がない時代にも備えなければならない。