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ヒトラーの生家、2023年までに警察署に変える

ヒトラーの生家、2023年までに警察署に変える

Posted June. 04, 2020 08:29,   

Updated June. 04, 2020 08:29

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ナチス・ドイツを率いたアドルフ・ヒトラー(1889〜1945)のオーストリアの生家が警察署に変わる。ネオナチなどの極右派がここを聖地にしようという動きを遮断する狙いだ。米国の電子商取引会社・アマゾンも、今年3月から極右主義者が聖典とみなしているヒトラーの著書「我が闘争」の販売を禁止した。

AFP通信などによると、カール・ネハマー・オーストリア内相は2日(現地時間)、「ヒトラー生家の改築設計に応募した12社のうち、オーストリアの建築家・ベルンハルト・マルテが率いる『マルテマルテ』を選んだ」と明らかにした。今後3年間で約500万ユーロ(約68億ウォン)を投入して、2023年初めに工事を完了すると付け加えた。オーストリアは、昨年11月に改築計画を明らかにし、欧州連合(EU)内の建築会社を対象に設計公募を受けた。

ヒトラー生家は、ドイツとの国境地帯である北部・ブラウナウ・アム・インにある。17世紀に建てられた黄色の3階建ての建物で、外部には「ヒトラーが生まれた場所」という小さな表示がある。建物の前には「ファシズムを二度と繰り返してはならない」という文が書かれた小さな岩もある。この岩は、首都ウィーンにある博物館に移転される。

ヒトラーは1889年4月20日、ここで生まれたが、親が数週間後に引っ越した。記憶すらできない子供の頃にしばらく過ごしたにも拘わらず、彼は1938年、オーストリアをナチスドイツに併合させた後、ここを訪れた。

欧州の極右勢力は、毎年4月20日にはまるで聖地を巡礼するようにヒトラーの生家を訪問してきた。これにより、オーストリアは1970年代から、この建物を賃借して福祉施設として活用しながら極右派のアクセスを遮断してきた。2016年に建物の所有者に81万ユーロ(約11億ウォン)を支払って購入後、敷地の用途をめぐる議論が起こった。「ヒトラーとナチスの間違いを反省するために建物をなくそう」「真の反省をするためには、そっくりそのまま残すべきだ」「慈善団体、家庭内暴力防止センターなどの公益目的のために使おう」など、様々な意見が対立した。結局、昨年末、政府が警察署に変えることを決定した。

最近、欧州各国では、経済難と反移民心理の拡散により、極右主義犯罪が猛威を振っている。昨年10月、ドイツ・ハレのユダヤ教礼拝所で銃乱射が起きて2人が死亡、数人が負傷した。今年2月、ドイツ・ハーナウで銃乱射が起きて、9人が死亡した。被害者たちはすべて移民者出身だった。昨年11月にイタリアでも、機関銃と爆発物で武装した新ナチス主義グループが警察に摘発された。


金潤鍾 zozo@donga.com