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中国の「香港国家安全法」、民主主義の侵害であり「一国二制度」の約束違反だ

中国の「香港国家安全法」、民主主義の侵害であり「一国二制度」の約束違反だ

Posted May. 29, 2020 08:29,   

Updated May. 29, 2020 08:29

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中国の全国人民代表大会(全人代)は28日、国際社会の憂慮と反対にもかかわらず「香港国家安全法」の導入に関する決定を採択し、閉幕した。来月、全人代常務委員会が法案を確定すれば、基本法「付則3」に含めて施行する予定だ。1997年の香港返還後、中国が香港関連法を制定したのは今回が初めて。昨年、中国が香港で推進した「逃亡犯条例」の改正が抗議デモで失敗に終わったので、本土でより包括的で強力な法を作ったのだ。

国家安全法は、香港内の反逆および国家分裂、政権転覆、テロ活動が何かを規定し、30年の懲役刑までの処罰を可能にした。中国が主張するように国家安全に関する法は多くの国が持っている。しかし、中国の公安と検察は、法的概念を厳格に解釈して適用しないことで悪名高く、司法府も独立していない。国家安全法の適用範囲が政治的な必要性によっていくらでも拡大する可能性があるということだ。この法は、香港市民の表現の自由とデモの自由を深刻に侵害するというのが国際社会の大方の反応だ。

中国の香港国家安全法の導入決定の採択は、中国自ら同意した「香港基本法」にも反する。基本法第23条に「反逆、国家分裂などの行為を禁止する法」を制定できるようにしたが、「当然香港自ら立法する」と明示している。2012年にはマカオのように香港自ら国家安全法を制定しようとしたが、市民の抵抗で失敗に終わった。中国が直接法を作って強制し、執行機関まで香港に設置しようとすることは、49年まで約束した「一国二制度」の基本枠を無視することだ。

 

国際社会は、中国の今回の措置をロシアによるウクライナのクリミア半島の編入のように深刻に受け止めている。ポンペオ米国務長官は27日、「香港が1997年7月以前に米国法が適用されていたのと同様の扱いを受け続けるのに値しない」と明らかにした。米国が香港の特別地位剥奪の手続きに入り、香港の「アジアの金融中心」としての地位が弱まれば、最も打撃を受けるのは他のどの国でもなく中国自身だ。

 

フィリピンが2013年に仲裁を申請した南シナ海領有権問題に対して、17年にオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所が中国の領有権主張を認めなかったが、中国はこの判決を認めていない。中国が香港との一国二制度の約束を破って不法な方法を繰り返すことを認めてはならない。中国が国際社会との約束を守るよう圧力をかけることは、香港市民の自由を守るために連帯するという意味だけでなく、韓国のような周辺国が自国の安全を守ることでもある。