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モナリザの価値

Posted May. 28, 2020 07:46,   

Updated May. 28, 2020 07:46

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モナリザを売るなんて?ルーブルの象徴であるあの絵を?全世界が新型コロナウイルスとの戦いを繰り広げている今、フランスでは、これによる経済的損失を、モナリザを売って埋めるべきだという意見が出て議論されている。どうしてモナリザなのか?一体この絵の価値がどれくらいだからって?販売は果たして実現可能なことなのだろうか?

このような不埒な提案をしたのは、フランスの企業家・ステファン・ジスタンアンだ。彼は、価値が高く販売移動が容易な国の資産であるモナリザをできる限り高い価格で売却して、破産寸前に置かれたフランスの文化芸術界を支援する財源を用意しなければならないと主張した。「私たちは、多くの絵持っている」という言葉も一言付け加えながら。一言でいえばイタリアの古典名画1点を処分して、将来のフランスの文化芸術に投資しなければならないということだ。実際ルーブルは、レオナルド・ダヴィンチの主要絵画5点とドローイング22点を持っており、全体のコレクション数は、約50万点にのぼる。 また、バーチャルリアリティ(VR)でモナリザを鑑賞する技術も構築した。最大の論争を巻き起こしたのは、彼が提案した絵の価格だ。500億ユーロで、韓国ウォン換算で67兆ウォンを超える。2017年には約5000億ウォンで落札され、世界最高価格を更新したダ・ヴィンチのもう一つの作品「救世主(サルバトール・ムンディ)」より133倍高く、同年ルーブルが入った作品の保険価額の8億ドルより67倍も高い。真偽が不明な「救世主」より、ダ・ヴィンチの最高傑作と認められる「モナリザ」が、はるかに高い価値を認められるべきだろうが、これは現実の価格ではなく、希望として見なければならない。

もちろん、フランスがモナリザを売ることは絶対にありえない。毎年ひたすらこの一つの絵を見るために、800万人がルーブルを訪れるが、その経済的価値をどうして放棄できるだろうか。少しは減るだろうが、世界で最も有名な絵を見るための行列は、ポストコロナ時代も変わらないだろう。混雑をなす展示室で、少ししか見ることができないガラスの向こうの小さな肖像画に多少失望しても。

美術評論家