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北朝鮮労働新聞、「金日成主席の縮地法、実は不可能」

北朝鮮労働新聞、「金日成主席の縮地法、実は不可能」

Posted May. 21, 2020 08:16,   

Updated May. 21, 2020 08:16

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北朝鮮官営メディアが、韓国国内にも知られている「金日成(キム・イルソン)主席の縮地法」について、「実際は可能ではない」という内容の記事を掲載し、その背景が注目される。

北朝鮮の労働新聞は20日、「縮地法の秘訣」と題する記事で、金氏が1945年11月、平安北道龍川郡(ピョンアンプクト・ヨンチョングン)の住民と会って話を交わした際、「そこにいた人がいなくなり、いなくなった人が再び現れるというような、地面を折りたたんだように(長距離を)行き来することはできない」と話したと伝えた。その場にいた住民が、「抗日遊撃隊時代に使ったという縮地法の話を聞きたい」と言ったところ金氏がこのように答え、「(当時)日帝と戦って勝つことができたのは、人民大衆の積極的な支持を得たためだ。『縮地法』があるなら、それは人民大衆の『縮地法』だろう」と話したという。

北朝鮮は、宣伝歌で金氏が抗日闘争で縮地法を使って活躍したと学生や大衆に教えた。宣伝歌「将軍様は縮地法を使われる」は韓国でも良く知られている。これを否定するような内容の記事を対内用メディアに登場させたのは異例のことだ。

このような状況は、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が自身を神格化することに距離を置いていることにもつながるとみられる。正恩氏は昨年3月、「第2回全国党初級宣伝活動家大会」に送った書簡で、「首領の革命活動と風貌を神秘化すれば真実を隠すことになる」と述べた。金日成、金正日(キム・ジョンイル)時代の神格化された指導者よりも人間的指導者であることを強調したのだ。これは、北朝鮮にスマートフォンが600万台以上普及するなど制限的ではあるが情報が交わされている状況で、最高指導者の神格化自体が難しいという現実的な判断も作用したとみられる。


韓基渽 record@donga.com