Go to contents

トンネルや地下駐車場でもGPSをキャッチ

トンネルや地下駐車場でもGPSをキャッチ

Posted May. 21, 2020 08:13,   

Updated May. 21, 2020 08:13

한국어

カーナビゲーションは、目的地まで高速で正確な道のりを案内する。走行制限速度を超えれば、すぐに教えて安全運転に役立つ。このように頼もしいカーナビゲーションも、たまにもどかしい時がある。地下車道やトンネルを通ると、分岐点を逃したり、正確な位置がわからなくなり、目的地の到着予定時刻が外れたりする。衛星測位システム(GPS)の信号が地下まで到達しないいわば「陰影問題」のために起こることだ。

ソウル市は、地下車道やトンネルでGPS信号が途切れる現象を解消する技術を、来月南山(ナムサン)1号トンネルで披露すると、20日発表した。これに先立って、市とソウル技術研究院は昨年10月、GPS陰影問題を解決するための技術公募を行った。評価の結果、リュ・ジフン韓国ニューヨーク州立大学教授と情報技術(IT)企業・(株)ネオステックコンソーシアムが提案した技術が最終的に選ばれた。

選ばれた技術は、「ミニ衛星」の役割をする装置を活用する。人工衛星のようにGPS信号を送り出す装置を、地下空間に一定の間隔(50〜100メートル)で設置するやり方だ。スマートフォンやカーナビゲーションは、この装置が送り出すGPSを受けて、地下車道やトンネルでも正確な位置を案内できるようになる。また、車両の移動速度なども正確に把握して、目的地の到着予想時間が実際と差がでる現象も減らすことができる。信号発生装置の設置費用は、1個当たり約100万ウォン程度だ。

この技術は、既存のスマートフォンやカーナビで十分サービスを利用できる。運転者が追加料金を払ったり、他の機器を購入する必要がなく、既存のGPS搭載機器を持っていれば、すべて利用可能である。

チョン・ヨンジェ・ソウル技術研究院首席研究員は、「韓国国外の一部の都市で、車両に別の無線装置を設置して、地下空間を通る時に正確な位置を把握するために活用した事例があった」とし、「別途の装置、プログラムなどを設置するためには追加料金がかかり、面倒なので行き渡らなかった」と話した。

技術が普及すれば、地下駐車場で自分の車を探したり、地下空間の共有自転車「タルンイ」、キックボードなどの位置確認が容易になる。 GPS基盤の移動距離を計算する決済システムの精度を高めることができ、地下鉄利用者用ナビゲーションなどの新サービスの登場も早めることができる。また、自律走行車が実際に道路を走るとき、地下空間でも正確な位置と走行状態などを把握することが可能となる。

市は、まず来月、南山1号トンネル(地下区間約1.53キロ)にGPS信号発生装置10個を設置する。SKテレコムと、その装置から出てくる信号が車両位置を正確に把握できるのか検証する作業を行う。

蚕室(チャムシル)広域乗り換えセンターにも信号発生装置を設置する。地下であるここは、市内バスや広域バスが進入するとき、GPS信号を受信できず、バス到着時間の情報が正確でないなどの不便が続いている。

来年は、500メートル以上のトンネルと地下車道に拡大される。代表的な地下道である江南(カンナム)循環都市高速道路をはじめ、内部循環路の弘智門(ホンジムン)・貞陵(チョンルン)トンネル、鍾路区平倉洞(チョンノグ・ピョンチャンドン)と城北区(ソンブクク)貞陵洞をつなぐ北岳(ブクアク)トンネルなど20トンネル約29.8キロの区間に信号発生装置を設置する。この事業に約12億ウォンを投入する。以後、西部幹線地下道路でなど、現在建設中か計画が決まった地下道路にもこの技術を適用する方針だ。


朴昌圭 kyu@donga.com