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米中対立中の習近平氏の訪韓に執着しては外交の道を迷う

米中対立中の習近平氏の訪韓に執着しては外交の道を迷う

Posted May. 15, 2020 08:38,   

Updated May. 15, 2020 08:38

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中国の習近平国家主席が13日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談で、「今年中に訪韓する考えに変わりはない」と話したと、大統領府が伝えた。これに対して文氏は、韓中関係で習氏の訪韓が何より重要だと述べた。今回の電話会談は習氏の要請で行われたという。

両国首脳の電話会談は、米中対立が激しくなる微妙な時期に行われた。中国が韓国を味方に引き込もうという意図は歴然だ。韓国も高高度迎撃防衛ミサイル(THAAD)の対立を終えるために習氏の早急な訪韓を望んでいる。しかし、いざ中国の官営メディアは、習氏の訪韓に関する内容は伝えず、両国が新型コロナウイルスの共同防疫をめぐって「風雨同舟(助けあって困難を乗り切る)」とだけ伝えた。

新型コロナウイルス発源地をめぐる米中対立は、あらゆる分野への拡大を予告している。トランプ米大統領は、新型コロナウイルスの「中国責任論」を強調し、関税の賦課はもとより中国に偏重したグローバル供給網を変えるとし、同盟国の協力を要請した。中国との貿易戦争を越え、国際的な貿易秩序の再編まで予告したのだ。このような対立局面で、韓国がどちらか一方の肩を持っては、貿易報復を受けたり、外交・安全保障協力の枠組みが揺らぐ危機に陥る恐れがある。

米中はすでに敵味方に二分する動きに出ている。米国は、韓国をはじめとする同盟国の外相を集め、新型コロナウイルスへの対応に向けた国際協力で中国を牽制し、米国のリーダーシップに従うようメッセージを送った。中国も全面対応を始めた。中国は、米国の肩を持って国際調査を要求したオーストラリアに対して、牛肉の輸入禁止で報復に出た。昨年、米中が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の製品の使用をめぐって国際社会に選択を強要したことが、より大きな範囲で繰り返されているのだ。

年末の米大統領選まで続く米中の対立は、過去とは違う次元の波紋を起こしかねない。米中対立が貿易戦争だけに集中するなら、韓国経済の体質強化で持ちこたえられるだろうが、これを越える国際秩序全般の変動を招くなら、選択肢は多くない。双方からのラブコールは、韓国の可動域を広げが、誤って動いては居場所を失うことになる両刃の剣だ。

同盟を金で判断するトランプ氏の無理な在韓米軍駐留経費負担要求で、同盟疲労を感じているのも現実だ。韓国の選択は一層難しくなった。こうした時であればあるほど、賢明な外交が必要だ。まず、韓米同盟を根幹とした韓国の外交政策の座標を明確にし、その土台の上で韓中協力の具体的な水準を決めなければならない。そうしてこそ、米中両国が漠然とした期待で韓国を引き込むために圧力をかけるのではなく、実際に協力可能な分野をめぐって協議に出るだろう。