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漸増する北朝鮮の脅威に米大統領選の影響要因まで…足もとの火となった「韓半島リスク」管理

漸増する北朝鮮の脅威に米大統領選の影響要因まで…足もとの火となった「韓半島リスク」管理

Posted May. 07, 2020 12:53,   

Updated May. 07, 2020 12:53

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北朝鮮が平壌の順安国際空港の近郊に建設中の弾道ミサイル関連施設が完工を控えていると、米シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIC)が5日、明らかにした。大型の建物3棟や地下施設、鉄道ターミナルなどで構成されたこの施設は、大陸間弾道ミサイル(ICBM)数基を同時に組み立てることができる規模だという。米国家情報長官に指名された与党共和党のジョン・ラトクリフ下院議員は人事承認公聴会で、「北朝鮮の核兵器の保有と発射システムの追求は過去と変わりなく危険だ」と強調した。

北朝鮮の持続的な核・ミサイル能力の強化は昨日今日のことではない。特に昨年から米朝非核化交渉が立ち止まり、北朝鮮はより一層スピードを出している。米朝関係は、核・ICBMの実験中止と大規模な韓米合同軍事演習の中止のほかはすべてが原点に戻った。このような膠着状態で、北朝鮮は多くの核燃料を生産し、さらに精巧な弾道ミサイルを開発している。さらに、相次ぐ短距離ミサイル挑発で韓国に脅威を与え、米国を狙ったより大きな挑発も予告している。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の動静不明で起こった世界的な関心からわかるように、核武装した北朝鮮の存在はそれ自体が「増大する脅威」だ。さらに大きな問題は、北朝鮮がその脅威を最大化させる好機と捉える米大統領選が6ヵ月先に迫ったことだ。トランプ米大統領に北朝鮮核問題は交渉であれ対決であれ、大統領選に利用できる素材だ。

トランプ氏は同盟である韓国まで大統領選ゲームに活用している。トランプ氏は最近、韓米が暫定合意した在韓米軍駐留経費負担の13%引き上げ案を拒否し、新たに年間50%の引き上げ案を提示したという。さらに500%引き上げ要求を50%に下げたのだから韓国も柔軟に対応すべきだと迫っている。とんでもない金額をふっかけ、気前よく施しでもするかのように交渉するトランプ氏の態度には、韓米同盟の価値に対する認識の欠如がうかがえる。

 

北朝鮮核問題も同盟も足もとの火になった状況で、政府は南北関係の改善に向けた速度戦に出る構えだ。与党の総選挙圧勝を機に南北協力の突破口を設け、米朝交渉ムードも作るということだ。敏感な時期が近づくため北朝鮮を管理することも必要だが、鍵を握る米国との関係を強化し、「トランプリスク」を管理する努力が先だろう。