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「のろま検査」批判されたトランプ氏、経済再開を急いで「高速検査」

「のろま検査」批判されたトランプ氏、経済再開を急いで「高速検査」

Posted April. 21, 2020 08:09,   

Updated April. 21, 2020 08:09

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トランプ米政権が、事前検査がなされていない新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の抗体検査キットに対する販売を許可し、早期の経済正常化を迫っている。検査の信頼性が憂慮され、感染の再拡大のリスクが高いが、政府が「抗体検査の拡大」だけを叫び、懸念を生んでいる。新型コロナウイルス事態初期の遅い検査で叱責された米政府が、今回は「高速検査」で俎上に載せられた。

●市販90個のキットのうちFDA承認は4個だけ

 

抗体検査は、新型コロナウイルスの感染の有無ではなく抗体など免疫ができているかどうかを判断する。新型コロナウイルス事態が落ち着いた後、経済の正常化の時期や段階を判断する時の根拠に使われる。不正確な検査結果では、誰が免疫があるのか、再発のリスクはないのかを判断できない。

米紙ワシントン・ポストによると、米食品医薬品局(FDA)は先月中旬、迅速な抗体検査のために90個以上の検査キットの販売を許可した。このうちFDAの公式承認を受けたのはわずか4ヵ所。残りは製造業者が独自検査を経た後、FDAに通知だけした。

特に、自宅で指に針を刺して血液を採取し、抗体形成の有無を容易に判断できる1個当たり60~115ドルの「迅速検査キット」の問題が多いという指摘が出ている。特に、抗体がないのに抗体が形成されたと判定される事例が少なくないという。

テキサス州ラレド市で一部キットの信頼性を調査した結果、2割だけが正確だった。9割以上の正確性を誇っていた業者側の主張とは異なる。さらにFDAの承認を受けた製品でも5%のエラーが発生した。実験室で検査する精巧な検査キットは、需要に応えるほどの大量生産が難しい。

市販中の多くの検査キットは、主に中国や他のアジアの国家で生産された。同紙は、英政府が最近中国から2千万ドル分の検査キットを輸入したが、相当数がまともに作動しなかったと指摘した。米衛生試験協会(APHL)のケリー・ヴルブレフスキー会長は、「不正確な検査が多いと、検査をしないよりも悪い」と指摘した。世界保健機関(WHO)も、新型コロナウイルスに関する新たな検査キットは研究用として使うことを推奨した。

●トランプ氏、「抗体検査の拡大を」

 

このような状況にもかかわらず、トランプ氏は検査の拡大を迫っている。トランプ氏は17日、記者会見で、「抗体検査は誰が免疫力を確保したのかを示し、国民を職場に戻す我々の努力を後押しするだろう」と述べた。

一部の地方自治体や企業も参加した。ニューヨーク州のクオモ知事は19日、「さらに多く検査すればするほど、多くの経済を開放できる。今週から大規模な抗体検査を実施する」と明らかにした。ニューヨーク州は今週3千人を検査し、1日最大10万人にまで増やす計画だ。米紙ニューヨーク・タイムズによると、ラレド市もすでに2万人の住民を対象に検査を終えた。

米プロ野球(MLB)事務局や選手たちも近く検査を受ける予定だ。ゴールドマン・サックスやツイッターのような大企業、米プロバスケット(NBA)なども抗体検査の導入を検討している。最近検査を受けたカリフォルニア州広告会社の役員ディーン・カラス氏は、「私に抗体があることが分かったなら、外で勇敢になれる」と話した。


朴湧 parky@donga.com